先週土曜日に、イタリアを代表する指揮者、
Riccardo Muti (リカルド・ムーティ)がテレビに出演。
→ 彼の経歴はこちらを参照。彼は、1968年から1980年まで、フィレンツェの
五月音楽祭の首席指揮者を務めたこともあり、
フィレンツェでは馴染みのある指揮者。
去年に彼のコンサートが市立劇場で開催されたとき、
わたしも観て来ました。
指揮者によって、こんなに楽団の演奏が変わるんだ~。
というのがわたしの印象。

テレビに出演したリカルド・ムーティは気さくな印象。
笑いあり、真面目な話しあり。
わたしが、まるでオーケストラの一員になったように、
グングンと彼のトークに惹き付けらました。
彼のトークのなかで特に印象的だった話題。
それが、カラブリアの若手オーケストラ。
Banda di Delianuova。平均年齢 12~18歳。
カラブリアは、ナポリやシシリアと肩を並べて
陰鬱で憂鬱な話題ばかりを提供しているイタリアの南部地方。
そんなニュースを耳にしていると、どうしても、
その地方のイメージが悪くなり、
国民のモチベーションも下がり気味になってしまう。
もちろん、その地方に住む若者達もしかり。
未来に展望を持てずに、転がり落ちる若者もあり。
でも、どんよりした沼のなかに、美しい蓮の花を咲かせるように
この状況で、がんばっている人達もいるんです。

彼らは、ラヴェンナ音楽祭で演奏し成功を収め、
リオンで開催された音楽祭では、
25~30もの参加オーケストラを押しのき、見事優勝。
残念ながら、このニュースを報道するマスメディアはいませんでした。
イタリアの南部地方を話題にする場合、いつも暗い話題ばかり。
私達の国、イタリアが、素晴らしい国ということを、
どうして、報道しないんでしょう。
悪いニュースばかりでなく、私達の住んでいる
イタリアという国は、どんなに素晴らしいか。
若者がどんなにがんばっているか。
声を大にして、報道することにより、
イタリアという国をより誇りに思い、
若者達に希望を植え付けることができるのではないでしょうか。
と、語っていたのが印象的でした。
ケナすばかりでなく、褒めることも大切。
20分ほどのトークショーだったけど、観た人の心に、
大きな印象を残したリカルド・ムーティ。
これは、イタリアだけでなく、
どこの国でも大切なことじゃないかな~。
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