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悲しみの道 


フィレンツェ中心街の外れに

via dei Malcontenti (マルコンテンティ通り)

という通り名があります。

Malcontenti(マルコンテンティ)は、
意味のまったく違く2つの単語を掛け合わせています。

Mal (male) = 悪、邪悪、痛み、苦しみ
contenti = 満足、幸福、幸せ

IMG_0438.jpg


この通りは1530年まで、死刑者が歩く最後の通りでした。
通りの先にあるのは、死刑台。

フィレンツェ人はこの通りを、
「マルコンテンティ通り」と名付けたのです。

日本語では 「悲しみ」や「嘆き」の通りという意味になるでしょうか。


IMG_0439.jpg



この通りの始まりには、美しいタベルナーコロがあり、


IMG_0367.jpg


いまから命を落とさなければならない囚人達を、
聖母と幼子キリスト、そして、聖ヨハネと聖ピエトロが見守ります。


囚人達は、どんな気持ちで、このタベルナーコロを見上げたのでしょう。


IMG_0368.jpg


中心街から外れた、一見なんでもない通り。
そんな通りにも、隠された物語があるのです。


1530年以降は、ここから、ベッカリア広場の方へ死刑執行場が移され、
1700年代後期まで続きます。

1700年代後半にトスカーナ大公だった ピエトロ・レオポルド。
メディチ家が断絶したあとに、跡を次いだ2代目です。

1786年11月30日 は、記念すべき日。

ピエトロ・レオポルド大公が、
世界で初めて、「死刑廃止」 を宣言した日なのです。

そして、2007年には、
イタリア全土が死刑廃止になりました。
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