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ズル賢いフィレンツェ商人の勝ち?!

フィレンツェ中心街。
バルトリーニ・サリンベーニ邸は、サンタトリニタ教会の目の前にあります。

一見すると、まあ、普通の、よくフィレンツェで見かける邸宅です。

DSC07068.jpg

窓の部分を ズ~ム アップ !



DSC08197.jpg


じ~っと凝らして見ると、窓枠に装飾が施されています。

DSC08197-1.jpg

装飾は 「芥子の花と実」 です。

なぜ ??????   どうして ????


タイムマシーンにのって1300年代に遡ってみましょう。

*** *** ***


ワイワイ ガヤガヤ

ベニスやフィレンツェの商人の目の前には、オリエントから取り寄せられた様々なスパイスが並べられています。 薬や防腐剤に使われていたスパイスは、とっても高価な商品。 

このスパイスを、いかに多く安く仕入れるか。 

商人の技量、駆け引き、交渉力にかかっているので、表面上は冗談をいい合いながらも、目は真剣そのもの。お互いの動きを探り合っています。そのなかに、バルトリーニ・サリンベーニ家の先祖、ジョヴァンニ・バルトリーニの姿もあります。

スパイスは航海技術がピカ一のベニスの商人の仕入れ。 この売買に参加するために、ジョヴァンニ・バルトリーニをはじめ、多くの商人が寝食を犠牲にして、やっとベニスに辿り着きました。


腹が減っては戦ができぬ。 とばかりに、競りに参加する商人全員で夕食をとることに。晩餐会がはじまりました。

みんなで楽しく飲めや歌えやと盛り上がっているところで、「おや?」。


ジョヴァンニ・バルトリーニが懐から密かになにかを取り出し、参加している商人のワインにサラサラと流し込んでいます。

ふふふ お気づきの方もいらっしゃると思いますが、この「なにか」は、

「芥子の粉 = オピウム( アヘン)」。 麻薬で~す。 


みんな疲れているから、これでグッすりさ。 へへへ。


オプウムの効果絶大。

普段よりもぐっすり眠る商人達。

翌日、まだ眠気とダルさが残る競争相手の商人達を尻目に、ジョヴァンニ・バルトリーニが、もちろん、一人勝ち。


ジョヴァンニ・バルトリーニってば、ずっるーい! そんな ルール違反じゃん!! 

「狡猾なフィレンツェ人」 の定式が出来上がるはずだ。。。


フィレンツェ人のこの狡猾さは、ほかのストーリーにも出て来ますが、こちらはまた別の機会に紹介しますね。 フィレンツェ商人恐るべし。 油断をしてはいけませぬ。


*** *** ***

これを弾みに財を築いたバルトリーニ家。

1500年代に入っても、勢いは止まらず、邸宅をメディチ家のお抱え建築家、バッチョ・ダンニョロに依頼し、建てさせました。 それが、最初に紹介したバルトリーニ・サリンベーニ邸です。 

先祖様の功績を讃え(?)、この邸宅には、芥子の花の装飾が施されていると同時に、こんなこの家のモットーも刻み込まれています。

DSC08196.jpg

「NON DORMIRE  (重要な取引のときには) 寝てはいかんぞ ! 」




フィレンツェには、あらゆる路地、角、邸宅に、こんな、面白いエピソードが潜んでいます。 掘ってもほっても、ザクザクでてくる、そんなフィレンツェに首ったけ♪ 

一緒に路地裏探検してみる?

パチっ ポチっ とお願いします♪
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