Pellegrino Artusi(ペッレグリーノ・アルトゥージ)という名前を聞いたことがあるかしら? イタリアで彼の名を出して、知らないイタリア人はいない有名人。 初版は1891年。現在も重版されている、1大ベストセラーのレシピ本の作家なのです。日本版もあり。 
今年はアルトゥージの没後200年に当たります。1820年8月4日誕生。 そして今週は、外務省じきじきの「クッチーナイタリアーナ(イタリア料理週間)」が開催されています。即して、外務省のYoutubeでは、アルトゥージに関する動画を見ることができるようになっています。下段にリンクしておくので、興味のある方はご覧あれ。 序文が長くなりましたが、この本のタイトル La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene 
日本語のタイトルは イタリア料理大全 厨房の学と良い食の術 美味しく食べるための、料理の極意。 みたいな意訳でもいいかな。 790種類ものレシピを収めたこの本。 イタリアには、バイブルのように、一家に一冊は必ずあります。 100年前のレシピ健在。ここにイタリアあり。って感じです。 例えば レシピ75番 Risotto coi Piselli グリーンピースのリゾット 
レシピは、ご覧の通り文字ばかり。挿絵は一切ありません。本当に、文字ばかり。 小さいフォントでツラツラと書かれいるのは、リゾットの場合は、お米の起源や歴史等の説明。料理をしながらも、材料に関する知識も学べる、1粒で2度美味しいレシピ本。 材料:5人前 * お米 500g * バター 100g * パルミジャーノ 適量 * 玉ねぎ 大きめの中サイズ1個 * グリーンピース お米は洗ってはいけません(て書いてある!)。 お米を潰さないように気をつけて、布巾で軽くこすります。 玉ねぎをみじん切りにします。 バターの半量を鍋に溶かして、玉ねぎを炒めます。 玉ねぎが色づいてきたら、お米を加えてさらに炒めます。 炒めた玉ねぎの旨みをお米が吸収したら、おたま一杯分のお湯を加えて、ゆっくりとかき混ぜます。 これを何度か繰り返し、お米の芯が硬いところで(アルデンテ)、表面に小麦粉を少量を足します。 塩で味を整えたら、水分がなくなるまで火からおろさないこと。 水分がなくなってきたら、残り半量のバターと、レシピ427番のグリーンピースを適量加えます。 (注! ということは、先にレシピ427番を見なければいけないじゃないか!) レシピ427番 塩漬け豚バラ肉(パンチェッタ)と炒めたグリーンピース 分量:記載なし フライパンにオリーブオイルをひいて、 塩漬け豚バラ肉(パンチェッタ)、ニンニク、イタリアンパセリを炒めます。 少々の塩と胡椒を加え、ニンニクが色づいてきたらグリーンピースを加えます。 全体的に炒まったら、完了。 さて、リゾットに戻ることにしよう。 レシピ427番のグリーンピースを適量加えて、火から下ろしたら、 大きくひとつかみのすり下ろしたパルミジャーノレッジャーノチーズを最後に投入。 
まあ、こんな感じで、790個のレシピが記載されています。だから、本も厚い。 いまでは、本屋に行けば人気のあるレシピを凝縮したアルトゥージの本が、10ユーロあたりから販売されています。英語もあり。 さて、そんなアルトゥージですが、どうしてレシピ本を書こうと思ったのか、いかにして出版に至ったのか、次回に、第二部でお伝えしまーす。
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この日は、すごく良いお天気で、日向はぽっかぽか。 ん?? 広場中央をご注目。 ・ ・ ・ 
やっぱり見間違えじゃなかった。 気持ち良いよね、お日様にあたって。 
眩しそうに、手で太陽を遮っているし。 意図して広場の中央に居座ったのか、 たまたまなのか。 知る由もなし。

イタリアで市販されているカレンダーから好きなものを探すのは意外と難しい。ベタなものが多すぎる。トスカーナとかフィレンツェの風景とか。 カレンダーは毎日見るもの。だから、美しいものがいい。気持ちが明るくなるものがいい。作り手の気持ちが伝わってくるものがいい。 それで、いままでは日本のものを購入して、帰省したときに持ち帰っていたけど、イタリアで、気に入るものないかぁ。とずっと心の片隅で探していた。 そして出会ったカレンダー。友人宅に飾ってあり一目惚れ  来年は絶対にこれ!と決めて、友人に連絡先を教えてもらい製作者にコンタクト。 フィレンツェのアーティスト、セバスティアーノ・ランケッティ氏の作品。 猫の表情といい、アングルといい、色の使い方といい、とても気に入っています。 ロックダウンに入る前に、彼のアトリエで購入してきました。 2021年の12か月が楽しみ! 受付は11月30日まで。彼が1つ1つ手作業で梱包して発送します。アメリカは可能。日本にも発送可能なのかしら? 興味のある方がいたら、わたしまで連絡くださいね。聞いてみます。
イタリアといえばパスタ。パスタといえばイタリア。 イタリアの家庭ではパスタばかりを食べるての? 我が家では、可能な限り、パスタやご飯等の炭水化物系はランチに。夜はお肉やお魚、そしてお野菜が中心です。 こちらは、数日前に食べたズッキーニのオーブン料理。日本にも丸いズッキーニが売られているのかしら? 
丸いズッキーニの中身をくりぬいて、ひき肉ベースのスタッフを肉詰めにして、オーブンで焼き上げます。丸いズッキーニの皮が肉厚なので、味と香りを閉じ込め、お肉も皮もジューシー。パルミジャーノが入っているから、チーズの甘さもほんのりと感じます。
材料: 丸いズッキーニ パン粉 大さじ3 牛乳 少々 a. 牛ひき肉(豚ひき肉でもOK) 1パック a. 擦ったパルミジャーノ 大さじ2 a. 卵 1個 a. ナツメグ 少々 a. お好みでハーブ類 少々 a. 塩と胡椒 少々 作り方: 1)オーブンは180度にセットしておきます。 2)パン粉を牛乳に浸しておきます。焼き上げた時にジュージーになります。 3)ズッキーニの中身をくり抜きます。 4)ズッキーニのくりぬいた中身を粗切りし、aの材料をすべていれて、よく混ぜます。 5)ズッキーニの中に詰めたら、オーブンへ。 6)焼き上がりを確認しながら、30〜40分くらいで焼き上がります。 
合わせたワインはフェッラーラ県の土着品種Montuni(モントゥーニ)100%の白ワイン。初めて知って飲んだ。熟れた果樹の香り。 甘みのなかに酸味も存在していて、ジューシーな肉詰めの甘みと最高の相性でした。エチケットも可愛い。 ワインは、白ワインがオススメ。シャルドネ種は気品のある香りと味が、いまいち合わないような気がします。ピノグリージョ種も合うかも。ヴェネト州のソアヴェもいいかも。
サンタアガタ・イン・アルフォリ教会(Pieve S.Agata in Arfoli) シンプルで小じんまりとした教会を訪れるときは、いつもワクワク。 
教会の明かりとりは、自然光のみ。静寂な空間に、柔らかな光が差し込み、神聖な心持ちに。1230年に建立されたとのこと。ロマネスク時代の教会です。 
緑の布が掛けられているのは説教台。司教さんがお話をされるところです。マイクも設置されているので、住人がミサに訪れる、現役の教会。 約800年間も、時間を超越して変わらないもの。こういう教会が田舎に1つは存在します。 さてさて、この教会には、どの聖人が描かれているだろう。フレスコ画をじっくり鑑賞します。「あ、いたいた  」 みなさんも、よくこのフレスコ画をみてください  。 なにが見えますか? 
玉座に座っているのは、マリア様と幼子キリスト。上部には天使が。 左側にいる聖人は長い釘みたいのを手にして、腕や体に傷を受けています。体を縛られて矢を射られて殉教したセバスティアン聖人。 右側にいる聖人。 聖人アントニオ・アバーテ。日本語訳で大アントニオス。田舎の教会によく描かれる聖人。 
手前にいるのは、依頼人でしょう。ちょっと控えめに一段下がったところに描かれています。そして、もうひとつ、この絵には存在するものがあります。 それは、ぶたちゃん 
聖人アントニオ・アバーテの絵には、必ず、ぶたちゃんが描かれています。地方により、土着品種のぶたが描かれていたりして、とても可愛らしい。いのししが描かれているときもあります。 なぜなら、聖人アントニオ・アバーテは、動物の守護聖人とされてるんです。 田舎に住む当時の人たちにとって、豚は貴重な存在。生きて行く上でかかせない存在。なので、聖人アントニオ・アバーテにお願いして、守ってもらっていたのでしょう。 そのために、田舎の教会に描かれていることが多いんです。
お城のオリーブオイルを購入したついでに、毎年立ち寄るところがあります。 
お肉屋さん    
お肉屋さんといっても売るだけでなく、生ハム類も作っています。だからお店には自家製生ハムがづらりと並んでいて、魅惑的な空間 
手前にある白っぽいのは、豚肉の腸詰ソーセージ。衛生上禁止されているので、おおっぴらには言えませんが、新鮮なのは生でも食べれます。 腸詰から肉詰めを出して、塩の入ってないトスカーナパンに乗せて食べれば、天国へも昇る美味しさ。生に抵抗がある場合には、オーブンでカリっと焼いても美味しい。 これは、なんでしょう   
豚のレバーを網脂(内臓の周りについている網状の脂)で巻き巻きして、月桂樹の葉をくるりとさらに巻いて楊枝でとめたもの。 これを、オーブンとかフライパンで焼いて食べる。BBQでもうまい。田舎料理でなかなかフィレンツェでもお目にかからない一品。 
我が家では、多めにお肉を購入して、真空にして冷蔵庫で保存しておきます。そうすれば、ちょっと日にちが過ぎても美味しく食べれるから。 お客様と一緒に田舎を訪れるときには、生ハムやサラミ類を薄切りにしてもらい、お持ち帰りすることも可能。枚数注文も、グラム単位でも、どっちでも大丈夫。 ずっとレストラン続きで、胃が重たいランチ時には、近所のパン屋さんでパンを買って、薄く切ってもらい、そこに切りたての生ハムを挟んんで公園で食べたりもします。 田舎の新鮮な空気のなかで、シンプルだけど新鮮なパニーノを頬張る。旅の醍醐味。
今日のニュースでほっこりする報道があったのでシェアします。 3月に街全体がレッドゾーンに指定され、悲しみに包まれたベルガモ街。 ベルガモは、ミラノから車で約1時間の距離。この2つの街のちょうど中間あたりに、子供達が楽しめるレオランディアという遊園地があります。 この遊園地の広大な駐車場にミラノとベルガモのバス会社が集結。 ハート型に駐車しました。 
メッセージは、Amore e Speranza 愛と希望。 毎年100万人以上の入場者を誇るレオランディア遊園地も、いまはコロナ禍で閉鎖中。
いまはみんなが一つになって、がんばろうイタリア! 
ドローンで確認しながら位置を決めたのかしら。 もっと右! もっと左! もう少し寄ってー! とか、掛け合いと指示に従いながら、ツアーバスの運転手さんたちが細かくハンドルを切って仕上げたことでしょう。 心をひとつにして作られたきれいなハート レオランディ遊園地はこんなところ。
要塞のような入り口を通り抜けると、なんて豪奢な建物。 イタリアではVilla(ヴィッラ)と呼び、意味は邸宅。 邸宅というよりは、お城みたい。 
邸宅の名前は、羊毛業や銀行業で財を築いた、中世時代の所有者、ボンシ・デッラ・ルオータ侯爵からきています。が、1600年代に没落。教会へ所有者が移ります。 200年後の1800年代は、ナポレオンの存在もあり、教会の膨大な所有が没収された時期でもあり、実業家ブディーニ・ガッタイ氏が高額で買収。田舎に「別荘」を求めたらしい 。 
そして現在も、このお城はガッタイ家のものです。素敵な庭園は、プライベートゾーンにあり、スタッフに伺って、入らせていただきました。 そこで出会った白い孔雀。庭園を、優雅にお散歩していたけど、 
知らない人を見て怖かったのかなあ。羽根をバタバタさせて威嚇してたのかも。ごめん、ごめん。 産毛は、軽やかで、ふわっふわっ。 
葡萄畑の紅葉。ここはワインも作っています。 
アグリツーリズモでもあり、敷地内にある別宅への宿泊も可能。アパートスタイルで、近くにはレストランがないので車が必要です。人数が多い場合には、要相談で食事の準備も可。 Tenuta I Bonsi Loc. Sant'Agata 50066 - Reggello FIRENZE, Tuscany Tel. +39 055 8652118
ロックダウンに入る前の先週が、まるで遠い昔のようだ。
外出禁止の厳しいロックダウンになるかもしれない、という噂が立ち始めてたので、晴れた日に、極上のオリーブオイルを求めて、いざ出発。 高速に乗ると前方に霧が。 
いまから行く場所は、霧がたまる場所なのです。だから、ちょっと高台に上がると雲海を見ることができます。 
丘を越え、山を越え、あともう少し!オリーブ畑が見えてきた。 
前回のオリーブ農園は家族で営んでいるところだけど、今回はお城が作っています。車で40分くらい。 ここでも近所のオリーブ農園の人たちが、摘んだオリーブを圧搾のために運んでいました。 
すごいぞ。トラックにモリモリ積まれたオリーブの実。 
かと思えば、白い袋に詰めて運ぶ農家もあり。 それぞれの方法で運んできては、自分たちの順番になると、ほとんど浴槽のような、大きな容器(にバサバサとオリーブを投げ入れます。 
ここでは、コロナ対策で搾油所内に入ることができないので、販売所へ。 
「事務所、リセプション、販売所は上へ。 搾油所は左へ。」 販売所は、女性がひとりで注文を切り盛りしていて、忙しそう。 念願のオリーブオイルを購入したあとは、敷地内を散策。スタッフに伺って庭(というか、庭園)を散策すると、白い孔雀が庭園に放されていました。 
オリーブ農園には、家族経営のところ、工場のような大規模な会社、お城が経営しているところ、さまざまですが、ここは、お城経営のオリーブオイル農園。 次回はこのお城についてお伝えします 
イタリアは現在、コロナ危険地区を赤、オレンジ、黄色の三色にて色分けしてます。赤は本格的ロックダウン。オレンジは行動範囲が市内のみ。黄色は制限が穏やかでどこでもいける。 
フィレンツェのあるトスカーナ地方は黄色地区だけど、いつ赤やオレンジに昇進 するやもしれず、その前に、オリーブオイルを求めて出かけていました。 
ただいま収穫中。家族経営の場合、コロナの影響で両親を外に出したくないため、人を雇っての収穫なので、今年は例年より少し遅れ気味のようです。 
かごいっぱいに収穫されたオリーブの実。 
さぁ、これから圧搾です。 
洗われて、 
漉されて、 
でてきた、でてきた! 
とろとろなめらかで、緑の新鮮な香りのする、緑の雫。 
「オイル」と名が付くけど、オリーブオイルは、オリーブの実の果汁なのです。 
近所の農家が、圧搾所にオリーブの実を運んで圧搾してもらい、それぞれが持ち帰ります。このおじちゃんはポリ箱だから、家族用かしら。販売用なら、ステンレス容器が定番。 
この季節のさいこー  の食べかた。Fettuntaフェットゥンタ。 
フェットゥンタとは、塩気のないトスカーナのパンをカリっと焼き、ガーリックをすりすりして、作りたてのエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルをすーっと垂らして食べるもの。 この季節の贅沢品!
空気の澄んだ気持ちよい秋晴れの日に、青空骨董市が開かれていた。 
骨董市は楽しい。 いろんなものがゴチャっと無秩序に並べられていたり、 
いかにもな、イタリア的オブジェがあったり、 

エスプレッソ用のデミタスカップがテーブルに隙間なく並べられていた。 すっごくかわいい。眺めているだけでも楽しい。 きゃあきゃあ言いながら、楽しそうに物色して購入していく学生たち。 
おみやげダビデ。シールがついてる。よく見ると、 
シュールだ。。 
なぜここに? しかも、なぜこの雑誌? どうやって流れ着いたの? 
掘り出し物は、職人さんのオブジェ。 いまとなっては、作っている職人さんが希少な、帽子を作るときの木型。 
持ち手の素材も美しい、昔ながらのスタンプ。 蝋で封印したり、革製品の押し型に使ったり。 
目を凝らして本気で買うマダム、冷やかしながら見て回る仲の良い老夫婦、和気あいあいじゃれ合う学生たち。老若男女、それぞれが楽しそう。 
青空バールもちゃんとあります(トイレはないけどね )。 
喧騒から離れ、のんびり、楽しく、つかのまの休日。

20トンの大理石の塊が、籠の網目のように軽やかな姿に生まれ変わった箱。 まず入り口を作り、そこから大理石の中に入り、18トンもの大理石をくり抜いたそう。折れそうなくらい繊細な網目。 スタートレックという名がつけられている。 
空間から空間へと無への移動。という意味が込められている。 大理石のスタートレックに入って抜ける。空間移動。 その先に、なにがあり、なにを見るのだろうか。 
衣に身を包んでいる顔のない人物。この姿も、また、大理石。 とても大理石とは思えない布の質感や、ひだの流れ。 薄暗い教会のなかに光が差し、その光がフィルターになり、細かい曲線が陰影で浮かび上がる。 
静寂に包まれた、神聖な空間。 
・ ・ ・ かと思えば、大理石の紙飛行機が舞う空間。 紙飛行機のような姿を半分だけ作り、鏡に反射させて、わたしたちのいる世界と鏡のなかの幻想の世界を繋げたような作品。 

アーティストは、現代彫刻家ファビオヴィアーレ(@vialefabio)。彼の発案発想、そしてそれを実現できる、職人技の手仕事に脱帽感服。 たまたま遊びに行った街の広場に彼の作品が展示されていて、初めて彼の存在を知ることに。ダヴィデ像が、ヴィーナス像が、ラオコンテ像が、現代にアレンジされた、日本人にとっては特にインパクトのある作品群。 興味のある人は、下段にリンクを貼っておくので、ぜひお立ち寄りを! check it out ! 
完全に魅了されて、夏の間に3回は訪れた、ピエトトラサンタ街。
ピエトラサンタ街の案内はこちらから http://www.fabioviale.it/
ここはチェルタルドという名の街。 フィレンツェから1時間弱、ゆっくりのんびり鈍行列車の旅。 主要道路から外れたところにあるので、車でも同じく1時間弱かかる街。
 自動モーターの小さなケーブルカー(フニクラともいう)に乗るか、階段をのぼるかして、丘の上の中心街へ向かいます。 あっちをみても、 
こっちをみても、 
レンガを積み建てて造られた建物ばかり。 年月を経た木造が艶やかな飴色になるように、石もまた、こっくりしたいい味を出している。自然のものは、年を重ねるごとに美しくなるものなのねえ。人間もそうあればいいのに。せめて心は  
ボッカッチョ通り(Via Boccaccio) 。イタリアの道は、偉人の名前が通り名になることが多い。特にその街の偉業者はメインストリートになる可能性が大。 そう、このボッカッチョ。ジョヴァンニ・ボッカッチョといい、14世紀の詩人であり散文作家。 この人です↓↓ 
「デカメロン」を書きました。 ...... って? 14世紀に黒ペストが蔓延したフィレンツェから避難して、郊外に引きこもった10人。 いまでいう、ロックダウン。 退屈まぎれに、一人10話づつ語り、10人X10話=100話をまとめた物語本がデカメロン。自分たちの生きてる時代のことを文章にした本はまだ存在していなかったので、とても革新的な本だったのです。 ちなみに、デカメロンはイタリア語ではなく、ギリシャ語の「10日」(deka hemerai)からきています。当時の本はギリシャ語かラテン語で書かれるのが普通だったのです。 この「常識」を覆したのが『神曲』で知られるダンテ。 まあ、それは、おいおい、どこかで機会があれば書きたいと思います。 街の教会には彼のお墓があります。 
もうひとつ、この街で有名なのが、玉ねぎ。 「チェルタルドの玉ねぎ」という名前で市場に出回っています。 火に通すと甘みがグッと増す、美味しい赤玉ねぎ。 ジェラートも作っています。 
チェルタルドの玉ねぎは、街のシンボル。 ボッカッチョのお墓にも、市の軽トラにも、赤玉ねぎがシンボルで描かれている。 
1本道のメインストリートを歩くと、ひときわ目立つ塔のような建物。 チェルタルドの市庁舎。 15世紀にはこの地帯の政治行政の中心地として重要な役割を果たしていた歴史を持つので、こーんな小さな街なのに、すごく立派なのです。600年前のものを、いまも、使っているってすごいですね〜。過去の遺物じゃなく、現役。 
街のはずれまで歩くと、緑の風景が顔を見せてる。 丘の高台にあるので、鳥目線の風景。 
遠くに見えるのは、塔の街、サンジミニャーノ。 
を、背後に昼寝する贅沢な猫。 
ここは、サンタッピアーノ教会 
990年の文献にすでに名が残されている、ロマネスク様式の中世の教会。 教会前に4本の柱が建っているけど、なんだと思いますか? むかーし、むかーし、洗礼堂が建っていたそうです。 洗礼堂は、キリスト教徒になるために洗礼を受ける儀式に使われる神聖な場所。 年月とともに崩れ、いまは4本の柱だけが残っています。 これがまた、いい雰囲気を醸し出しています。 円柱の上にある円頭の模様は、約1000年前に掘られたもの。
神との対話にシンボルや動物が彫られている。 


この石達は、1000年にも渡る歴史を静観してきたんでしょう。 よくもここまで、風化せずに残されてきたものだ。 Pieve di Sant'Appiano Barberino Tavarnelle Firenze
11月はイタリアは雨季。そして冬時間は17時になると、とっぷり暗くなる。夏時間は夜の10時まで明るいのに(遠目)。 うつうつになりそうだけど、そんないまだからこその、秋の夜長の楽しみ。 ふふふ、なんといっても、秋の味覚が最高に美味しい季節なのです。 スーパーの盛り付けもハンパじゃない。 テキトーなのか、考え尽くされたディスプレイなのか。 大きな袋をザックリとナイフで切り裂いて、雪崩れるがままのクルミ。 
スコップが置いてあり、好きなだけザッザっと袋に詰め込んで量り売り。 こちらは小袋に入ったクルミ&右側の黄色いのは干しイチヂク。 去年はイマイチだったけど、今年のクルミはすこぶる美味しい。 カリっと歯ごたえがあって、ナッツ特有の甘みが口のなかで、ふわん。と広がる。 我が家はコープマークの、南イタリアはソレント半島産のクルミが好物。 写真の左側のボルドー色の袋がそれ。 
こちらはデーツ(ナツメヤシの実)。 なぜ踊り子? なぜ赤いの? 別な意味で目を引くパッケージ。 
そしてなんと言っても、秋の味覚の代表選手、 じゃじゃーん!! 搾りたてのエクストラ・ヴァージン・オリーブオイル! 
12月か来年の1月には、日本でも各国の20年のオリーブオイルの販売が始まるかもしれませんね。
今年のイタリアのエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルは優等生らしいですよ!
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