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キャンティワインとフィアスコ瓶

キャンティワインだけど、正確には、「ルーフィナの」キャンティワイン。ルーフィナはフィレンツェから30km くらい離れたところにある街。

むかし、むかし、フィレンツェが共和国だったとき。当時もルーフィナのワインは美味しいと評判でした。秋になると、できたばかりの新酒ワインを大公様に献上するために、えっちらおっちら牛にひかせてフィレンツェに向かいます。


ふつうのワインの瓶では積みづらい。で、考えられたのが、ぽっこりお腹のフィアスコ瓶。胴体のところに、麦わらやトウモロコシの皮で巻いてあるので、瓶と瓶がぶつからない。

 



このフィアスコ瓶を積み上げたのが、カーロマット。カーロCarroは馬車とか牛車。マットMattoは狂気。

まあ、たしかに、クレイジーな牛車といえよう。750mlの瓶が2000本も積み上げられているのだから。換算しておよそ1500リットル。牛も重労働。

 

 



フィアスコ瓶に巻くのは、この仕事を生業とする、フィアスカイ職人。フィレンツェにも多くのフィアスカイがいたようです。

いまも9月の最終週末にこのカーロマットのイベント「バッコアルティジャーノBacco Argigiano」があります。


カーロマットがゆっくり牛に引かれ、彩色豊かな昔の衣装を纏った行列があとに続く。そしてフィレンツェの旗の舞などが繰り広げられる、楽しいイベント。

 



残念ながら今年はないかも。どこを探しても情報が見つからない。来年に持ち越しかな〜。

このカーロマットの姿は、9月にピンポイントでフィレンツェに居合わせなくても、中心街でいつでも見ることができます。場所はアンティノーリ邸宅の中庭。

 



邸宅は、トルナボーニ通りに面しているとすっかり思い込んでいたけど、アンティノーリ広場の3番地だ。自分たちが所有する邸宅の前にある広場だから、そのまま家族名がついている。さすがは、アンティノーリ家。

 



ちなみに、アンティノーリ家がこの邸宅を所有したのが1506年。ときに日本は室町時代。ざっと500年もの家族の歴史が残っている邸宅ってのも、時代の厚みと迫力を感じますね〜。

Palazzo Antinori
Piazza degli Antinori, 3, 50123 Firenze FI 

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