美しい姿のサンジョヴェーゼ。
トスカーナ地方の土着品種。
癖がある品種で、美味しく造るのは、なかなかに難しい。だからこそ、美味しいのは本当に美味しい。
キャンティクラシコ地区の、9月の風景。葡萄畑が広がり、周りは山に囲まれている。
この山が重要。山があるお陰で畑に虫がつかず、夏の暖まった気温を鎮めて、夜には涼しい風を運んでくれます。
だがイノシシがいるので🐗、食い荒らされない対策は必須です。
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青空に向けて、ひょいっと軽々しく持ち上げているマッチョな君は、アトラスを模したものかしら。アトラスは地図の名称の元にもなり、天文学者という解釈も付けられた、ギリシャ神話の巨人神。
どうも日時計らしい。

そしていまは、ザクロの季節。緑とオレンジのコントラスが青空に映えて美しい。

まさにイタリアンな靴下(笑)

この街の工房で作られている食器類。ぽてっとした形で、丸みを帯びた肌触りが、食事をより楽しくしてくれそう。手描きの模様もとっても可愛くて、物色したけど、欲しい形のお皿がなくて、今回は断念。

この街は、トスカーナ地方にあるラッダインキャンティ村。丘の高台にある小さな村で、四方は葡萄畑に囲まれている。鳥になり空を飛んでいるような風景が広がる、美しい村。前々回の「トスカーナの田舎でランチ」はこの村の麓で食事したときのもの。

ここ数日は雨が多い。
まだ9月というのに、今日の気温は16度。
寒いっ。
雨雲が切れて、日が差した葡萄畑。
丘の上にかかった雲が霧のように漂い、まるで丘が浮かんでいるよう。
時期的にいまはちょっと早いけど、10月中旬から下旬にかけて、丘の上の葡萄畑と霧の、幻想的な風景を見ることができます。
テーブル数が少ないトラットリア、キッチンにひとり、お店にひとり。こじんまりしてて、雰囲気も可愛らしい。
シエナ県名物のうどんのようなパスタ、ピチ。
シンプルにガーリックトマトソースにて。
鴨肉の薫製にバルサミコ酢をかけたもの
こういう時は恐れずに😅脂身ごと頂きます。
このトラットリアでは地元のジビエを仕入れています。イノシシソースのパスタ。
ローズマリーの香り高く、油の中に浮いているようなミートソースが多い中、このお店のは珍しくあっさりしてて絶品!
地元のキャンティクラシコのワインも一杯から頼めて、幸せな時間を過ごせるお店❤️
La Vin'Osteria
La, Via Villa di Sotto, 16, 53017 Radda in Chianti SI
朝に一瞬だけ咲く、可憐で美しい花。
なんの花だと思います?
実になり、熟れるパカッと割れて種が顔を見せる、イタリアの夏の風物詩。
花も葉っぱも食べれるそうです。
イタリアのトスカーナ地方で作られているワインにキャンティがあります。以前に紹介したお腹のぽっこりした瓶に入っていたワインもキャンティワイン。
トスカーナ地方に広く分布しているけど、一箇所だけ「クラシコ」と呼ばれる地域があります。ほかのキャンティワインと区別するため、黒鶏マークがシンボルとしてエチケットに印刷されているもの。
このキャンティクラシコ地区に、ぶどう収穫前の、まだセラーが多忙を極める前に行ってきました。

クラシコ地域では、紀元前からワインを作っていたらしい。出土品が見つかっています。


今日の見学先は、Monteraponi モンテラポーニ。


1000年には村が存在していたという、モンテラポーニセラー。その時代の文献に、モンテラポーニという名前が記載されているらしい。ただ、文献が残る以前から存在したと考えられ、その年、800年とか900年。ざっくり1000年前!


過去があり現在に生き未来に繋がる、自然の時間に、圧倒されるよりは、包み込まれるような温かい優しさ。


色とりどりの緑のグラデーションと、時の風合いをまとった石壁。トスカーナらしい糸杉と彫刻で飾られた庭園。


いまは、一家族の所有物だけど(って、すごいよね)、昔はモンテラポーニ村として、学校、郵便局、教会などがあり、村人が暮らしていた場所。
戦後に過疎化が進み、土地を二束三文で売り払い、街へと移動した時代。いまはこんなに美しいトスカーナ地方も、やはり同じ運命を辿った場所。
土地を買い求めた先見の明のある人たちが、自分たちの先祖だったらよかったのに!とは、よく耳にする、うらめしごと(笑)


イタリアの美しさを体現したような空間には、ワイン造りに必要な道具類が見当たらない。と思ったら、この小さな村の建物内に分散されていた。


小さな扉をくぐり抜けると、そこは醸造室。

大樽での熟成が、トスカーナ地方の伝統的なワインの特徴。

小樽を使うところもあるけど、モンテラポーニでは、大樽が主流。

この樽、姿が美しく見惚れました。フランスはブルゴーニュの樽屋さんで作ってもらった特注とのこと。

一方、とてもシンプルなセメント製のタンク。といっても、内側はガラス樹脂で覆われています。このタンクもトスカーナ地方ではよく用いられる。
木樽と違い、木の香りがつかないために本来の葡萄の味を活かされる。最近、見直されて使うところも増えているよう。

卵型、とっても可愛いんですけど。
葡萄を収穫したのち、アルコール発酵させるためのタンク。発酵中に葡萄の皮が上に浮かんでくるけど、その浮かび方と、皮の下でアルコール発酵する葡萄ジュースの接続面がとても良く、驚くほど美味しくできるそうです。デザインもさることながら、機能性も優れている。 発案した人、すごいです。

いまもむかしも、マイナーチェンジはあるものの、エチケットのデザインは変わらず。

深みと重みがあり、乳酸系のまろやかな舌触りが包み込む、バランスの取れたワイン。完全なる家族経営で営われています。

なんとも過激なタイトルだけど、フィレンツェには、いま、こんな狼がウロウロしています。


中国人彫刻家Liu Ruowang による作品。空の下での展示会。

狼が吠える、先にいるのは、


バットを振りかざした人間。

いま、まさに、人間が襲われようする瞬間。

これは人間と狼の対決だけど、狼を自然とみて、人間に牙を向けて襲いかかる自然。自然破壊がメッセージに込めらているそうです。もうやめてくれ!オレたちも生きるこの大地を、これ以上乱さないでくれ!と、歯向かう姿。迎え撃つ人間が手にしているのは、バット1本のみ。
ロックダウン後の、初めての展示会がこれ。ウイルスも自然の脅威。いかに立ち向かうぞ、ヒューマンビーイング。
怖い狼集団のなかに、こんな可愛い狼も。

ブロンズ製のこの狼集団。日中は子供達が馬乗りに乗り、お母さんが写真に収め。結構楽しめる展示会だったりもする。
11月2日まで開催。
サンティッシマアヌンツィアータ広場とピッティ広場。
フィレンツェのシニョーリア広場に特設会場が作られていた。

フィレンツェからボローニャ方面に北上したところにトスカーナ地方ムジェッロ地区があり、サーキットがある。ここで初めて、今週末にF1としてフェッラーリが走るらしい。

バックサイドで搬入待機中なのか、重厚なトランク風の箱がいっぱ並べられてた。

憩いの場、集いの場、ショーの場、用途に応じていろいろな使い道があるのは、いまもむかしも変わりなく。シニョーリア広場には市庁舎のベッキオ宮殿がある。フィレンツェ人にとって大切な広場の1つ。そこに真っ赤なフェラーリの赤。中世の石積みとのミスマッチがカッコいい。

カバーで覆われているフェラーリ車。あと何台、いまから搬入されるんでしょう。イベントは明日と明後日。車は広場に置きっ放し?! 24時間体制の警備?! そんなことないよねー。 今日のお披露目を終えたらどこかに駐車するのかしら? いらぬ心配だけど、どこに駐車するんだろう。週末は人数制限で広場内に入れるらしいです。

今日、9月8日は聖母マリア様のお誕生日!
マリア様は、そう、キリストのお母さんです(「さん」づけて失礼)。
フィレンツェには、舌を噛みそうな発音の、サンティッシマ アヌンツィアータという名の教会があります。マリアさまに捧げられた教会です。入ってすぐ左手に、マリア様に捧げたれた祭壇があります。正面の主祭壇も大切だけど、この教会を訪れる信者の多くは、この祭壇に祈りを捧げるために訪れます。

奥には、神の子を身ごもったとメッセージを受けた、受胎告知のシーンが描かれており、上の部分にはランプが飾られ、壇上には、祈りを捧げるろうそくの火が灯っています。
宗教といえばそれまでだけど、「信じる」「祈る」「思いやる」「敬う」「愛する」といった感情が、この祭壇に満たされているようで、負の感情が抜けて、心が静かになる空間。

ここには、結婚式を挙げたフィレンツェのカップルも訪れます。挙式で用いたブーケを、マリア様のこの祭壇に捧げると、マリア様のご加護を受けて、いつまでも幸せがつづく素敵な夫婦になれるそうです。
Basilica della Santissima Annunziata
Piazza della Santissima Annunziata(サンティッシマ アヌンツィアータ広場)
キャンティワインだけど、正確には、「ルーフィナの」キャンティワイン。ルーフィナはフィレンツェから30km くらい離れたところにある街。
むかし、むかし、フィレンツェが共和国だったとき。当時もルーフィナのワインは美味しいと評判でした。秋になると、できたばかりの新酒ワインを大公様に献上するために、えっちらおっちら牛にひかせてフィレンツェに向かいます。

ふつうのワインの瓶では積みづらい。で、考えられたのが、ぽっこりお腹のフィアスコ瓶。胴体のところに、麦わらやトウモロコシの皮で巻いてあるので、瓶と瓶がぶつからない。

このフィアスコ瓶を積み上げたのが、カーロマット。カーロCarroは馬車とか牛車。マットMattoは狂気。
まあ、たしかに、クレイジーな牛車といえよう。750mlの瓶が2000本も積み上げられているのだから。換算しておよそ1500リットル。牛も重労働。


フィアスコ瓶に巻くのは、この仕事を生業とする、フィアスカイ職人。フィレンツェにも多くのフィアスカイがいたようです。
いまも9月の最終週末にこのカーロマットのイベント「バッコアルティジャーノBacco Argigiano」があります。
カーロマットがゆっくり牛に引かれ、彩色豊かな昔の衣装を纏った行列があとに続く。そしてフィレンツェの旗の舞などが繰り広げられる、楽しいイベント。


残念ながら今年はないかも。どこを探しても情報が見つからない。来年に持ち越しかな〜。
このカーロマットの姿は、9月にピンポイントでフィレンツェに居合わせなくても、中心街でいつでも見ることができます。場所はアンティノーリ邸宅の中庭。

邸宅は、トルナボーニ通りに面しているとすっかり思い込んでいたけど、アンティノーリ広場の3番地だ。自分たちが所有する邸宅の前にある広場だから、そのまま家族名がついている。さすがは、アンティノーリ家。

ちなみに、アンティノーリ家がこの邸宅を所有したのが1506年。ときに日本は室町時代。ざっと500年もの家族の歴史が残っている邸宅ってのも、時代の厚みと迫力を感じますね〜。
Palazzo Antinori
Piazza degli Antinori, 3, 50123 Firenze FI