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キャンティ赤ワインの代名詞だった、フィアスコ瓶。ぽってりお腹は、割らずに効率よく高く積むた...

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一皿のパスタから始まる、モンテレッジョへの不思議な旅(3/3)

なにかに導かれたような不思議な旅。今回は最終回。


パート2からのつづき

何度もカーブを繰り返しながら、くねくね山を登っていく。あと一歩のところで木製の橋。

 



がたがた音を立てながらゆっくり橋を渡る。なんてスリリング。

 

 

山と山との間にある、小さなモンテレッジョ村にやっと到着。村の入り口には、本を売り渡る姿の石碑が教会を背にして立っている。 

 

 

本の舞台になった村! 
 

 

 

 

村に一軒しかないバールには、本棚がある。
 

 

 

 

 

 

バールをぐるりと見渡していたら、Tokyoの文字が目に飛び込んでた。

 

 

日本に訪問したときの記事が調べてみたら見つかりました。

地球のあっちとこっちで繋がっているんだなぁ。

 

https://meguro-unesco.info/shortnews/2018/05/SN333-03.html

 

 

 

バールに張り出されていたお知らせ。

 

 

来たる8月14日10時。

 

ブック フェスティバルに関して、

市長が、みなさんのご質問にお答えします。

 

大勢の参加をお待ちしています。

 

この日に話し合わないと、もう間に合いません!

 

夕刻から、鶏肉(Polli)と豚肉(Porchetta)料理もあるよ!

 

(絵がかわいい  ^ 0 ^ )

 

メインストリートが1本走っているだけの小さなモンテレッジョ村。まるで昨日修復したばかりのような、整頓された美しい街並み。

 

 

 

 

この村の住人は自宅に鍵もかけないらしい。玄関先に鍵がさされたまま。

 

いつでもどうぞお入りください。と言っているみたい。

いまだにこういう習慣が残されているなんて、なんか、いいなぁ。

 

 

 

メインストリートを歩いていると、突然、通りの脇から山が見えた。

 

ここからは、四季折々の自然の美しさを眺められることでしょう。

道を単純に1本通すだけじゃなく、わざわざこういう空間を作るところが、すてきです。

 

 

 

玄関先に無造作におかれたプラスチックの椅子。

 

ランチのあとなのかしら。

昼寝をしたあとに、ここでおしゃべりでもするのだろうか。

 

 

 

村を歩いていると、午後の日が照りつけるなか、男衆が壁を作り直す作業をしていた。その裏手に本屋さん発見。

 

 

 

 

 

 

「本の裏に値段が記載されているので、この箱に料金を入れてください」という張り紙あり。ここは無人の本屋さん。玄関先にさされた鍵と同じ。村人全員が家族みたい。

 

 

 

 

「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」の本は置いてなかったけど、

 

「もうひとつのモンテレッジォの物語」が棚に並べられていた。

 

この本は作家の内田洋子さんとモンテレッジォの子供達の共同作品。

 

日本の本のように内田さんの作品は右から、イタリアの本のように子供達の作品は左から、ページが始まるようになっている。

 



「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」を読まれた人は、ぜひこちらも読んでみてください。子供達が自分たちの村の歴史を研究する過程や感想、そして、村の人たちの生きてきた軌跡や村の美しさなどが、内田さんらしい、愛情が込められた言葉で書かれています。

カバーを外すと子供達が描いた、カラフルで可愛い絵が現れる。



モンテレッジョ村でこの本を購入できるとは、なんて幸せ者のわたし。

小さな村では、すぐに知れ渡る。日本人がいると聞きつけたのか、黄色いTシャツを着た背の高い痩せた男の人が声をかけてきた。彼こそはジャコモさん。

モンテレッジョ村にようこそ!と歓迎され、本が出版に至るまでの話しを物語ってくれた。最初にYokoからメールがきて、村を取材したいと申し込まれたときは、なにかの冗談かと思ったよ。よく話を聞くと、ベニスにあるモンテレジョ出身のベルトーニ書店の店主から村の話を聞いて、興味をもったらしい。そこから僕たちの本は始まったのさ。

 

 

 

 

メインストリートから村をでると、そこは、森。

 

 

 

 

森のほとんどは、栗の木。

内田洋子さんがこの村を訪れ、本が作られ、村人達が日本へ訪れる。心のこもった温かい本と、温かい心の交流。ほっこりする気分があとまでも続く心地よさ。あのバールに立ち寄らなければ、ここまで繋がることはなかっただろう。導いてくれた運命に感謝です。

 

 

 


内田洋子さんの本を読んで、モンテレッジョに行きたい人がいるんじゃないかしら。
ムラッツォ村の1件だけあるバールで一緒にランチして、山道登ってモンテレッジョ村を訪れ(車でね)、ジャコモさんを筆頭に、村の人たちと交流できるような企画を立てられたら素敵かも。

今年は村で初めてのマンガの祭典が開催される予定だったけど、コロナの影響で来年2021年に延期。こんな状況にもめげず、FBでインタビューの様子を紹介したりして、現在祭典に向けて準備中。


こちらは、イタリア版NHKでかなり前に放映されたルニジャーナ地方を紹介する番組。前半はモンテレッジョから本を売りにでるリブライオの姿を見ることができます。

 

 

 

 


春の行事カンタマッジョ(5月の歌)はこんな感じらしい。

 

まさに、カンターレ!

 

 

一皿のパスタから始まる、モンテレッジョへの不思議な旅(2/3)

なにかに導かれたような不思議な旅。今回は2回目。


パート1からの続き


はなし好きな店主。わたしたちが食べてるときも、ずっと一緒におしゃべりしてた。

とあるタイミングで、実はさぁ、普通にイタリア人でさえ知らない、こんな小さな村なのに、日本でちょっとだけ有名になったんだよ。信じられる!?? と話を持ち出してきた。

村の子供達がね、村の歴史を研究して、それを絵本にしたんだ。

ん?? え??!!

そういえば、いまから行く村の名前は、モンテレッジョ。
このムラッツォ村の入り口には、本フェスティバルのポスターが掲げられていた。
 

もしかして、この本? 

 



「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」

とネットで調べて見せたら、そうそう!それそれ! と言うではありませんか。

ロックダウン中にこの本の存在を知り、すぐに読みたかったけど、デジタル版はなく単行本のみ発行。日本に帰らないと買えない読めない。

書評を読んで、なんとなく内容は把握したけど、読んでないゆえ、どんな風に書かれているのか、すごく興味を持っている本。まさか、この本の舞台になった村に、偶然といえども、降り立っていたのです。

たまたまランチ時間にこの村にきて、食べるはずのないローマのパスタをたまたま食べて、お話好きの店主とたまたまおしゃべりして。たまたまの偶然が、この本に繋がるとは。

オーナーのお子さんも研究に参加したらしく、すごく楽しそうに課外授業を受けていたそう。本が売れて、子供達に印税が110ユーロも入ってきたんだよ。遠い日本の国で、僕たちのこの小さな村を知ってくれる人がいるなんて、信じられない! 

本の舞台になる村にいて、本に関わる人と出会うことになるなんて、わたしも信じられない。

子供達に指導したジャコモはいまモンテレッジョにいるだろうから、君がいまから行くって連絡しようか?と提案してくれたけど、本を読んでないし、行き当たりばったりの旅だったので、丁重にお断りし、店主にお礼を伝えて、食べ過ぎてパンパンに膨れ上がったお腹を抱えて、まずはムラッツォ村を散策。


 

お昼時だからか、石畳の通りには誰もいない。アパートから、かすかにテレビの音が聞こえてくるので、住人がいるのがわかる。
 



 

 

 

そんなひっそりとした佇まいの村には、フィレンツェを追放になった「神曲」を書いた詩人ダンテアリギエーリも、このムラッツォ村に滞在したらしい。石碑が残っている。

フィレンツェで政治家として華々しく活躍していたのに、派閥競争に破れ、こんな山奥まで、ダンテは訪れたのか。ここからダンテは北上を続け、ヴェローナへ行き、最終的にラヴェンナで生涯を閉じる。歴史ってなんて奥深いんだろう。

 


スーパーもない小さな村の高台にある教会の脇には本屋さんがある。自社出版の、村の歴史に関わる書籍がたくさん置いてあった。
 

 


ムラッツォ村をあとにして、いよいよモンテレッジョへ出発。

 

パート3につづく。

 

一皿のパスタから始まる、モンテレッジョへの不思議な旅(1/3)

なにかに導かれたような不思議な旅。3回に分けて発信します。

この日は「小さな村めぐり」をしようと、普段はあまり足が向かない、ルニジャーナ地区へ行くことにしました。今回のルートは主人が立て、わたしはなんの予備知識も持たずに、主人企画のミステリーツアーに参加。

トスカーナ地方といえば、ルネッサンスの古都フィレンツェを筆頭に、ワインで有名なキャンティ地区、絵本の風景ように美しいオルチャ渓谷、映画の舞台になったアレッツォ、ピサの斜塔、etc..  有名スポットが地方全体に散りばめられているところ。そのなかにあり、ひっそりと存在するのがルニジャーナ地区。

海岸の岸壁に立つ5つの村で有名なチンクエテッレのあるリグーリア地方、ボロネーゼ(ミートソース)スパゲッティで有名なエミリアロマーニャ地方、そしてトスカーナ地方と、3地方をまたぐ山間にあるのがルニジャーナ地区。

「ついで」に行ける場所ではなく、「行こう」と決めて赴くような場所である。



いつも通りに朝の行動が遅く、かつメインストリートを3分で歩き終えるような小さな村でも、滞在時間が長いわたしたち。


ルッソーロ城の目の前にある小さな村。これが村の大きさ。


予定よりも大幅に遅れてムラッツォという名の村に到着。



ちょうどお昼時。惹かれるレストランはなく、村のバールは1件だけ。グーグーお腹すかせて観光するか、いまここで食べてしまうか。二者択一。郷土料理を食べたかったけど、この日は材料が揃ってないので、ローマ料理しかないとのこと。



ルニジャーナの片田舎の村で、どうしてローマ料理なんだろう。バールの若い店主に聞いてみた。

店主はこの村の生まれだが、ローマに移り住み仕事をしていた。仕事を辞めて、自分のワインバーを開けたくて、探していたけど、なかなか見つからない。そんなときにたまたま帰省して、この地区に落ち着くのもいいのかも。と、両親のもとに引越しをして、この地区でお店を開ける候補地を探したらしい。

探し歩いた結果、地元で美味しいワインを飲めるところがないことに気がつき、ムラッツォ村に初めてのワインバーがオープンすることに。

お客さんの大半は村人。バールがオープンしたばかりの頃は、白ワイン、赤ワイン、プロセッコ(泡もの)。という注文だったけど、地元のいろいろなワインを提供し始めると、甘口、辛口、から始まり、いまはシャルドネの白。とか、メルローの赤。というように、自分の飲みたいものを細かく注文できるようになったんだよ。とても嬉しそうな笑顔の店主。

おしゃべりに花が咲いているところに、パスタが登場!料理担当は、妹さん。



Burro e Acciughe (バターとアンチョビ)のパスタ。
バターのミルクっぽい甘さのなかに、アンチョビの塩がほのかに効いたソースを、最後にパラパラと雪が散るように撒かれたパン粉が吸収して、凝縮されたうまさ。こんもり盛られた姿は、100グラムはあるだろう。パン粉とパスタのダブル粉もん。うーん。一瞬ひるんだが、うまうまで完食。

はなし好きな店主。わたしたちが食べてるときも、ずっと一緒におしゃべりしてた。

とあるタイミングで、実はさぁ、普通にイタリア人でさえ知らない、こんな小さな村なのに、日本でちょっとだけ有名になったんだよ。信じられる!?? と話を持ち出してきた。
 

パート2につづく。

 

フィレンツェのストロッツィ宮殿にて「アーリア(空気)」

数日前にインスタ経由でも掲載した、フィレンツェ中心街にあるストロッツィ宮殿で開催されている展示会。コロナの影響で11月まで延長されています。

アルゼンチン出身(だけど、不安定な政治情勢だったので、生まれてすぐにイタリアに移住。11歳まで住んでいたらしい。)Tomás Saraceno(トマス・サラチェーノ)。



宮殿の中庭に登場した、ひときわ目立つ立つ大きなオブジェ。足を踏み入れた人は、判で押したように、上を見上げ、おもむろに携帯を取り出すスポット。

 

 

テーマはアーリア(空気)。
有機的で、透明で、繋がっている。





空気が風を起こし、風が振動を起こし、振動を肌で感じる。

差し込む光をオブジェに投影させると、いままで見えなかったオブジェが陰として生まれ、光が消え去ると陰も消えてしまう。存在するけど、存在しないもの。

 

可視化できない、自然とのコネクション。

見ようとするのではなく、感じること。
知覚を呼び起こすようなインスタレーション。
不思議な快感で心が満たされ、何時間でも居れてしまう。



Tomás Saraceno(トマス・サラチェーノ)を知りたい人はこちらから。子供のような表情が印象的。
https://www.youtube.com/watch?v=61fybvkZiDE
https://www.youtube.com/watch?v=05rgQUFPTjc

 

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