前回の肉祭りで、シェフが
フェラーリの黒馬のような黄色のネクタイを
していたけど、あれって?
あれって これ ↓

黒馬のような動物は、実は雄ヤギ。
ヤギの角をベッコと言ったことから、
ベッカイ(Beccai)と呼ばれる組合のシンボル。
いわゆる社章、企業のシンボルです。
時は、ルネッサンス文化が幕開けするずっと前の
中世時代、1300年代に遡ります。
この時代にフィレンツェではさまざまな組合が創立され、
当時は「アルテ」と呼ばれていました。
その1つが、このベッカイ。
正式名はアルテ・デイ・ベッカイ。
どんな組合かと言うと、肉や魚の生鮮食品を
しかなる規則に基づき、ぼったくりなしで
新鮮な肉や魚を販売する組織。
たとえば
ー 販売価格の規定
ー 計りは定期的に検査され、合格したものには市の認定印あり
ー 肉は指定の屠殺場からのものであること

左側は牛の屠殺 右側は豚の屠殺 (Photo by wikipedia)
肉だけでなく、魚も販売し、かつ、飯屋も彼らの管轄内。
というか、肉屋で例を挙げると、
肉を販売しつつ、同時に飯屋を開き、
自分ところの肉を調理し、ワインと一緒に提供する。
ようなことをしていたらしい。
プーリャ地方では、いまでもこんな感じのお店があるけど、
フィレンツェではもうなくなっちゃった。ちょっと残念。
アルテ・デイ・ベッカイの本社はこちら。
中心街のオルサンミケーレ教会の前にあります。

建物の中央上部にも、社章あり。

この本社は1400年代(15世紀)に建てられたもの。

そして、本社の前にあるオルサンミケーレ教会の外壁には
アルテ・デイ・ベッカイの守護聖人、サンピエトロが奉られています。
肉祭りのあった5月22日(日)には、
シリョーリア広場から共和国広場へ向かう途中、
月桂樹の冠を奉納されたサンピエトロ。

中世時代に生まれたアルテ・デイ・ベッカイ。
名前は変わったとはいえ、いまでもその姿勢が
生きているフィレンツェ。
観光の街フィレンツェ。
されど
いまでもフィレンツェ人の街フィレンツェ。
歴史のなかに生きているって
なんかいいなあ。と感じさせてくれました。
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ヴェッキオ宮殿の500人広間
シリョーリア広場での旗手の舞
さて次なるところは

共和国広場。
テントのなかでは何が催されているかというと

焼きます 焼きます 炭火で焼きます
味付けは粗塩のみのシンプルな調理法

素材が命
それは、あなたの肉屋が「保証」します!

10分もすると
ぷ~ん
と肉の焼ける良いにほいが漂い、
焼き上がったお肉を切り分けるシェフ。
お肉はもちろん、Tボーンステーキ。
イタリア語名、ビステッカ アラ フィオレンティーナ。
肉とくればキャンティワイン。
もちろん、ワインも大判振る舞い。
ちょうどランチ時で、群がる群がる。

じっと待つ 群がる集団

もちろんわたしも、集団のひとり。

まだかな~ なんて指を加えて待っていると
ぐんぐん背中を押して割り込みする輩がっ。
誰だっ?!

ジプシー・・・・
お恵みを~ なんて小銭を催促していたのに、
肉の匂いを嗅ぎ付け、集団のなかにダイビングしたと思われる。
大人しく待っている集団を尻目に
さっさとゲットするジプシーのおばさん。
こちらは、お肉を持ったシェフに手を差し伸べる民衆。
ぼくにも~ わたしにも~ !

ようやく、わたしにも順番が廻って来た!

こちらは相方(注:おかわりです)

骨をしゃぶる相方。
ああ、もう肉食って野蛮だわっ
といいつつも、
快晴の下でのお肉、美味しかったです♪
今年で2回目の新しい肉祭り。
来年の5月下旬も要チェックですよ!

onore alla fiorentina !
ビステッカ アラ フィオレンティーナに乾杯!