前回に引き続きルッカ
塔のてっぺんに、ニョキっと木が
生えているグイニージの塔。

グイニージ公はルッカの君主。
この塔は1390年頃に建てられたそうなので、
2月に紹介した
イラーリアの旦那さん、
パオロ・グイニージ公がルッカを統治していた時期。
ルッカを歩いていると、そこかしこに教会と遭遇します。
これはやはりイラーリア編のときに紹介した
ルッカのドゥオーモ、サンマルティーノ大聖堂。

こちらはサンフレディアーノ教会。
ファサードのモザイクが太陽の光を浴びて美しい。

内部はロマネスク様式の彫刻が多く残されていて
中世の雰囲気がいっぱい。
さらに、こちらは、サンミケーレ・イン・フォロ教会。
フォロとは、ローマのフォロ・ロマーノのフォロと同じ意味で、
古代ローマ時代は政治や経済の中心地だったところ。
そこに大天使ミカエル(ミケーレ)を頂上に抱いた
教会が建てられたので、この名前で呼ばれています。

この3つの教会を見比べてみると、
どことなく、ファサードと鐘楼のつくりが似ています。
ちなみに、こちらはピサの洗礼堂、大聖堂、斜塔。

ルッカも、ピサも、正面玄関のある1階には大きなアーチが並んでいて、
その上の階層からは、1階のアーチをプロポーション(比率)のベースとして、
細い円柱でさらに小さなアーチで区切られいます。
白い大理石を利用しているのも、共通項。
建築スタイルは1100年~1200年代を代表する、
ロマネスク様式。
さらに、ピサやルッカならではの装飾方法なので、
ピサ・ルッカ様式とも呼ばれています。
ちなみに、同時期のフィレンツェのロマネスク様式の教会がこれ。
ミケランジェロの丘のさらに上にある、
サンミニアート・アル・モンテ教会。

透かしのような細い円柱はなく、
緑と白の大理石の2色使いで、
比率の美しさを表現しています。
ルッカはピサの建築様式に強く影響を受けていますが、
フィレンツェは独自の様式美を確立しているのがわかります。
1都市の観光やそぞろ歩きも楽しいけど、
同時代の建築物を複数の都市で見比べると、
どの街がどの街に影響を受けたのか。
どう発展したのか。
などなどが分かって、結構面白い、建築探訪。
スポンサーサイト