あまり聞いたことのない教会。 実はフィレンツェの大聖堂の地下にあります。 あるといっても、一部が現存しているだけの遺構ですが、ルネッサンスを代表するクーポラを仰ぐ大聖堂の地下に、古代ローマ時代からの教会があるなんて、ちょっと不思議。
1200年代まで、実はこのサンタレパラータ教会が、フィレンツェを代表する大聖堂だったんです。でも序所にフィレンツェの人口が増えてきたので、この小さな教会に収容しきれなくなり、この教会の上にいまの大聖堂を建立しました。
1971年からドゥオーモの床下の発掘を行い、このサンタレパラータ教会の遺構が見つかりました。 この教会は300年後期から400年前期にかけて建立されたと伝えられています。残念ながら、この時代は混沌とした時代だったので、裏付けする文献が残っていません。
大聖堂の地下に続く階段を降りて行くと、乾いたような、湿ったような、地下独特の空気が感じられます。 階段を降りて左手に入場口がありますが、どんな様子かチラっと覗けるので、入場者はほんの僅か。 でも、面白いですよ~。
薄暗い光のなか、古代ローマ時代のモザイク模様の床が広がり、その一部は、実際に歩くことができます。 1センチに満たない小さなモザイクを1つづつ埋め込みながら床を作った当時の職人達も、まさか遥か未来の21世紀の人の目に触れるなんて、想像もしていなかったでしょう。 そんなモザイクに手を触れてみると、幾世紀も前の世界や、当時の人の息づかいが伝わって来るようです。
古代ローマ崩壊後、ロンゴバルディ族という民族が南下してきて、フィレンツェも彼らの統治下におかれることになりますが、その時代の墓石も見ることができます。
そしてところどころには、2畳分くらいある、大きな柱が床を突き抜けて伸びていますが、これは、現在の大聖堂を支える柱の一部です。 大聖堂の着工は1296年。 クレーンなどの機械がまったくなかった時代に、よくもここまで大きな大聖堂を作ったものです。 昔の人は、なにもないところから、すべてを作っていったんですね。 なにもないからこそ、想像力や発想が豊かだったのでしょうか。
この遺構はまだほんの一部で、発掘途中。いまは中断していますが、あちこち掘れば、まだまだ面白いものがでてきそうです。
******* お知らせ! ヴァザーリの回廊の個人予約 !! *******
通常は12名以上や8名以上で英語ガイドが案内しますが、7月から新しく5名以上から日本語ガイドで案内できるようになりました。
今年の9月からヴァザーリの回廊は修復に入り、修復開始時期が延期になりました。2009年11月14日まで予約受付中! 次回の 来年からの公開は未定の状況。年内にフィレンツェに来られる方は、ぜひご一考くださいね。
催行日の1週間前まで申し込みを受け付けています。
9月 5日(土) 14名様からのお申し込み ←催行決定! 申し込みは終了しました。 ありがとうございます。
9月12日(土) 3名様からのお申し込み ←あと2名で催行決定。
9月26日(土) 2名様からのお申し込み ←あと3名で催行決定。
もし最小人数5名に満たない場合には、英語ガイドに振替になりますことを、ご了承ください。
<ヴァザーリの回廊のみを見学される場合>
日時:毎週土曜日の16時30分から約90分間
料金:お1人様120ユーロ
ガイド:日本語
<ウフィッツィ美術館とヴァザーリの回廊の両方を見学される場合>
日時:毎週土曜日の15時15分からで約3時間
料金:お1人様140ユーロ
ガイド:日本語
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