イタリア語でVal d'Orciaと呼ばれるオルチャ渓谷は、トスカーナ地方の南方にあります。 わたしもワイナリーへ、アグリツーリズモへ、テルメへ、と、四季を通じて行くところです。
フィレンツェからは車で片道約1時間30分。 日本の「渓谷」とはイメージが異なり、どこまでも、どこまでも、果てしなく丘陵が続いています。そして、ところどころに見られる糸杉や古い石造りの建物や、ポツ。ポツ。と、丘の上に佇んでいる中世の街が、大地にアクセントをつけ、オルチャ渓谷の詩的な美しさを際立たせています。
一時過疎化が進んだ土地の人達の努力が報い、2004年には世界遺産に登録されて、世界中に知られる事となりました。
住宅は全体の約0.60%とわずか。農業に使われる面積と森林がその残りです。見渡す限り大地が続いているのも納得です。どうしてもっと住民を増やさないの?という素朴な疑問は、新しい建物を立てるには厳しい規制があるためです。だから、土地代もめちゃ高!
でもこの大地、最初からこんなに緑豊かだったわけではありません。中世時代の人々が森林を伐採し、粘土質の土壌を苦労して開墾して、農作物が作れるように転換しました。 それも、適当に開墾したのではなく、その当時からちゃんと「ランドスケープ(景観)」を計算して開墾したと言われています。 オルチャ渓谷は自然と人間が共同で作った美しい空間なのです。
そしてこの空間のなかに、美的景観を保ちつつ、人間の生活環境もちゃんと整えられています。オルチャ渓谷の田園風景のなかで、のんびり草を食む羊のお乳からチーズが生産され、葡萄畑からはワインが、四季折々に変化を見せる畑ではパスタの原料となる麦が栽培されています。そして、この美しい風景を享受し、素朴な郷土料理を楽しみたい人達には、アグリツーリズモやトラットリアが、その需要を満たしています。
オルチャ渓谷で生産しているワインには、モンテプルチャーノで作られるDOCGワイン「ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ」や、オルチャ渓谷のお隣の街、モンタルチーノで作られる「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」を始め、DOCオルチャワインなども生産されており、ワイナリー見学も気楽にできます。
はじめてオルチャ渓谷に踏み入ったとき、「えー! こんな空間があるんだ~。」と、自然以外のなにもない美しさに、ショックを受けたのを覚えています。
<オルチャ渓谷関連テーマ>
デトックスな休日 アグリ編
デトックスな休日 テルメ編
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******* お知らせ! ヴァザーリの回廊の個人予約 !! *******
通常は12名以上や8名以上で英語ガイドが案内しますが、7月から新しく5名以上から日本語ガイドで案内できるようになりました。
今年の9月からヴァザーリの回廊は修復に入り、2009年11月14日まで予約受付中! 次回の 来年からの公開は未定の状況。年内にフィレンツェに来られる方は、ぜひご一考くださいね。
<ヴァザーリの回廊のみを見学される場合>
日時:毎週土曜日の16時30分から約90分間
料金:お1人様120ユーロ
ガイド:日本語
<ウフィッツィ美術館とヴァザーリの回廊の両方を見学される場合>
日時:毎週土曜日の15時15分からで約3時間
料金:お1人様140ユーロ
ガイド:日本語
8月8日(土)は4名様からのご予約があります。この日に見学される方を同時に募集中です! 興味のある方、予約希望の方は、わたしのメルアドまでご連絡ください。先着順で受け付けております。
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