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オルビエートの旨い食! (ウンブリア州)



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イタリアは地方食が豊か。 タイミングが会えば、まず訪れるのが市場です。
季節の食べ物がところ狭しと並べられいて、美味しそう♪



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この市場はポポロ広場にたっていました。上から見るとこんな感じ。
午前中のみ。わたしが行ったときはギリギリセーフでした。



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お店のショーウインドウ。気合いが入っているなあ。
イノシシさんが強烈でした(笑)



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ウンブリアで「ノルチャ」そして「ノルチェリア」と言えば
イコール、肉を加工する人の意味。
ノルチャという小さな街があり、そこのハム、サラミ、ソーセージが有名です。
オルビエートだって負けていませんよ!
こんなに色々な肉加工品があります。

ウンブリア州は海がないので、イノシシ、鹿、鳩、雉、などなど
ジビエ料理が盛んで、珍しいサラミに出会えることもあります。



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私達もお腹空いてきた。そこでお店へ飛び込みました。
これは前菜で、クスクスとお野菜のサラダ。 
茶色のソースはバルサミコ酢。
ヘルシーでさっぱり。 家でも試してみよう。



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うどんのような太い手作りパスタにシンプルにトマトソースを和えたもの。
シンプルなだけに素材とソースの味が決め手。
大変良くできていました。



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今回はお野菜中心のヘルシーなランチでした。
それもそのはず。ここのお店はほぼベジタリアンなレシピが多し。
素材から吟味し、パンも天然酵母オンリー。

まだ若い20代のシェフが切り盛りしていました。
がんばれカルロ君!

DA CARLO
Vicolo Del Popolo I, 9
05018 Orvieto (TR)
0763 343916


次回はオルビエート最終編、大聖堂です♪





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[ 2009/06/23 06:19 ] @ 美味なるもの | TB(0) | CM(2)

オルビエートの街並(ウンブリア州)

今回は、ずっと前に紹介します~といいながら、長らくご案内できなかったウンブリア州のオルビエート街です。 オルビエートはローマとフィレンツェの電車路線上にあるので、途中下車することも可能です。 丘の上にたっていて、遠くから見ると、「どうやって造ったんだろう。本当に人が住んでいるんだー。」なんて、とても不思議な印象を受ける街。


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これはアグリへ行くときに写した遠目のオルビエート。
夏の暑い日はオルビエートっこは、こんなところで夕涼みをするのでしょう。



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ちょっとアップで。
オルビエート街の顔、大聖堂です。



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街は長細く入り組んでいて、地図がないと簡単に迷いそう。
オルビート街は紀元前にエトルリア人が造った街。

いま教会が建っているところは、元はエトルリア時代の神殿跡だったりするのです。

中央の写真はエトルリア時代の遺跡。
そこに普通に住人が生活しているのが不思議な空間。

中世地区を歩くと、美しい中庭に出会うことがあり。



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こちらは12世紀(1100年代)に建築が開始されたパラッツォ・デル・ポポロ。
もとはロマネスク様式だったのを、ゴシック様式に再建築されて現在に至ります。



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結婚式に遭遇しました。 いつまでもお幸せに♪

エトルリア時代、古代ローマ時代、中世時代、そして現在までの、
さまざま歴史を石畳や壁や建物はだまって見てきたことでしょう。
いまはメインストリートにブランドショップあり、ジェラート店ありと、
現代の人間と街が上手に共存している、そんなところががオルビエートです。

オルビエート第二弾は食べ物編です。




メンズファッションショー Pitti Uomo

昨日、6月16日からフィレンツェのバッソ要塞でメンズファッションショー「Pitti Uomo(ピッティ・ウオーモ)」が開かれています。 すでに前日から、素敵なお洋服に身を包んだセレブな女達や男達を中心街で見かけました。

初日とうこともあってか、すごい人。 1月よりも人はやや多めかも。 イタリアンカジュアルやトラディッショナルな格好のイタリア人はもちろんのこと、日本の方達も多くお見受けしました。

今回はそんな会場内をちょっとご紹介。

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これは会場準備中の様子。バッソ要塞の前は搬入するトラックでいっぱい。


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オバマさんの顔が広告になっている「futuro maschile」ブース
「将来の(イケてる)男」がテーマ


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中庭には香水のブースも。
暑い日だったので、白が涼しい演出。


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かと思えば、こちらはフィレンツェに乗り上げた船


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白くて薄くて羽のようなインテリアのバール


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こちらはバルーン型のバール。



そんなこんなで、今週のブログはちょっと滞るかもしれません。少々お待ち下さいませ。




[ 2009/06/17 19:40 ] @展示会やコンサート | TB(0) | CM(0)

カルチョストーリコ(古式サッカー) 6月24日フィレンツェ


6月のフィレンツェは忙しい。6月16日からはメンズファッションショーがバッソ要塞で開かれ(ピッティ・ウオーモ)、街中に美しい男性、女性が溢れることでしょう。6月24日はフィレンツェの守護聖人サンジョヴァンニ(聖ヨハネ)の日でフィレンツェは祝日。ちなみにトリノも同聖人を守護聖人としているので祝日です。

サンジョヴァンニの日は朝からフィレンツェ大忙し。

10時にサンジョヴァンニ洗礼堂で儀式が執り行なわれるのに合わせて、シニョーリア広場からカルツァイオーリ通りを通ってサンジョヴァンニ洗礼堂まで中世の衣装を纏った行進があります。


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10時になると、ドゥオーモの前にあるサンジョヴァンニ洗礼堂で儀式があげられ、継いでドゥオーモで1時間ほどのミサがあります。 このときに普段は閉じている洗礼堂の東扉「天国の扉」とドゥオーモ正面扉が開けられます。

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いつもは観光客で一杯なのに、この日のこの瞬間は、フィレンツェ人のための聖地に帰ります。観光と伝統が結びつく時間です。 この写真は去年のものですが、わたしはとっても感動しました。


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午後16時には、やはり行進があり、こちらのルートは、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会から出発。ここから、トルナブオーニ通り、共和国広場、カルツァイオーリ通り、シニョーリア広場、ネーリ通りを抜けて、サンタクローチェ広場まで向かいます。

サンタクローチェ広場ではなにがあるかと言うと、カルチョストーリコ。古式サッカーの決勝があるのです。フィレンツェはこんな風に大きく4地区に分かれています。

ー サンタ・マリア・ノヴェッラ地区(赤)
ー サンジョヴァンニ地区(緑)
ー サントスピリト地区(白)
ー サンタクローチェ地区(青)

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by http://www.calciostorico.it/

各地区ごとに色別で区別されていて、トーナメントで戦います。特に常に優勝候補の白チームと青チームは仲が悪く、お互いに牽制し合い。 予選は13日と14日に行われ、勝者が24日に闘います。「闘う」という言葉通りに、流血あり殴り合いあり。そのため過去には、あまりにもエスカレートした予選で、選手が救急車で運ばれたりして、決勝が中止になったことが何度もありました。

Carcio storico

by http://www.calciostorico.it/

通常は長方形のなんにもない広場には土が運び込まれ、特設会場が作られます。ここで一般人は観戦することができます。料金は、40ユーロから15ユーロまであり、予約をする場合には、40~20ユーロの切符には1枚9ユーロの前売り料が、15ユーロの切符には6ユーロの前売り料がかかります。


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これは広場の中央の壁に描かれている左右の境界線。

by http://www.calciostorico.it/



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去年の優勝チーム「赤組!」

by http://www.calciostorico.it/


この日はミサがあったり、サッカーがあったりして、その占めが夜10時頃から上がる花火でしょう。30分くらいですが、ヴェッキオ橋をバックに花火が上がる風景もなかなか良いものです。 花火はミケランジェロ広場から上がりますので、その設置のために午後からは入ることはできません。 もしこの日にミケランジェロ広場へ行かれたい方は、12時前までに行くようにしましょう♪





バルディーニ公園とボーボリ公園

2回に渡ってバルディーニ公園とボーボリ公園をご紹介しましたが、え? バルディーニ公園ってどこにあるの? どのルートでこの2つの公園を梯子するの? という「?」が頭に浮かんだ方もいるのではないでしょうか。 そこで、今回はその梯子方法をご紹介します。

下記の緑の点々を辿るとボーボリ公園とバルディーニ公園を行き来できます。 

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By www.bardinipeyron.it/

コスタサンジョルジョ通りは坂道になっていて、アルノ川方面からバルディーニ公園へ行くまで結構きつい坂道ですが、登るにつれてフィレンツェの風景が見下ろせて、なかなか良いものですよ♪

バルディーニ公園からボーボリ公園へ行くには、さらにコスタサンジョルジョ通りの坂道を登っていきます。すると、目の前に要塞が現れるので、この要塞の脇をすりぬけると、ボーボリ公園への入り口です。

この要塞は、ベルヴェデーレといい、ベル=良い ヴェデーレ=眺め すなわち良い眺めの要塞です。 メディチ家のフェルディナンド大公のときに造られました。 いままでは夏になると映画を上演したり、コンサートが開かれたりと、いろいろな催し物に使われていました、今年はトントそんな話しを聞きません。 う~ん。 今年は要塞のなかに入れないのかも。

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By Wikipedia

ここからのフィレンツェの眺めも良いんですけどねえ。 前は自由に入れて夕涼みをしたり、お昼寝ができたりしたのに、ちょっと残念。

このベルヴェデーレ要塞は、位置的にはボーボリ公園の一番上の方にあり、ちゃんと要塞として機能していました(当然ですね。。)。 これは当時の地図。

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By Wikipedia

正面に見えるのが当時のピッティ宮殿。いまの半分くらいの大きさ。宮殿の裏には、ボーボリ公園が広がっていて、左上に見える星形変形がベルヴェデーレ要塞です。

イタリアでは例外なく、た~くさん歩きます。 石畳あり。 坂道あり。 スクーターがブンブン飛んでくる細路地あり。  フィレンツェもしかり。 フィレンツェに来る時には、歩きやすい靴で、たくさんたくさん歩き回りましょう! 歩いた分だけ、楽しい発見もありますよ♪











ボーボリ公園

ボーボリ公園はピッティ宮殿の裏手にあり、元は丘だったところを大改築していまの姿があります。 購入したのは、メディチ家コジモ1世の妻、エレオノラ・ディ・トレド。 もとはヴェッキオ宮殿に住んでいたのですが、「こんな中世造りの家はイヤ!」 ということで、ぽ~んとピッティ宮殿と裏手の敷地を購入したのが始まりです。 

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その後、あらゆる建築家の手により、イタリア庭園のベースを築くようになるのが、このボーボリ公園。 「自宅を郊外に持ち込む。」という意匠で、公園は人工的に作られ、左右対称の幾何学模様、要所には人工池や彫刻で飾られるようになります。 イギリス庭園と違うところは、ほとんど花々が植えられていないところ。 なぜだと思います?

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未来永劫、メディチ家が繁栄し続けますように。という願いを込めて、意図的に常緑樹が植えられているからです。 だから四季に関係なく、ボーボリ公園は常に緑に覆われています。 なかには落葉樹もありますが、これはナポレオン時代に植えられたもの。 庭園1つとっても、時代の移り変わりが見えてくるのが面白い。

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こちらは1700年代後期に建てられた「kaffeehaus(カフェハウス)」。 カフェとチョコレートを飲むことがこの当時は、ヨーロッパ貴族界で最先端流行だったそうです。 建てさせたのは、当時のトスカーナ大公ピエトロ・レオポルド。 彼はオーストリアのハプスブルグ家出身。だから名前もkaffeehausなんです。

ボーボリ公園に訪れた方は感じたと思われますが、公園の敷地は想像よりも広く、南の方へずっと伸びています。 ピッティ宮殿の前からずっと東に行けばそれで終わり。という小さな庭園ではないんですね~。 各要所に日陰やベンチがあり、子供連れ、ピクニック、カップルが芝生でゴロンと寝転んで、しばしの休息を楽しんでいます。

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ボーボリ公園の楽しみ方は、散策はもちろん、いろんなところに佇んでいる彫刻達でしょう。 その1つ1つの表情を見るだけでも楽しいですよ♪


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ごめんなさ~い。 山羊の目線に黒ポチが。。。 ファインダーはきちんと拭いてから写真を撮りましょう。。。。


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公園内で特別展がありました。お題は 「Memorie dell'Antico」。 古代への記憶。 これはポンペイの個人宅の庭園を再現したもの。 なるほどね~。


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モダンなアートを発見。 向かい合って水を見つめ合う2人。 緊張して水が飲めない(笑)。


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こちらはヴェッキオ宮殿から続いている渡り廊下&空中回廊。 ヴァザーリの回廊の終点です。 ピッティ宮殿に続いていますが、回廊見学者はこのちょっと手前でボーボリ公園に出ます。  ヴァザーリの回廊は9月から修復に入り、数年は見学不可能になるらしいです。 いま見学できる方はラッキーですよ♪

そしてこちらは、偶然ピッティ宮殿の中庭でカラビニエーレ(イタリアの警察)楽団が演奏している、そのおこぼれをもらった風景です。 閉園時間ギリギリまでいたので、庭園はシーンと静かで、音楽が美しく空気を響かせていました。 それにしても勇ましい曲だったなあ。 夕暮れ時のボーボリ公園とはちょっとミスマッチ(笑)? 映画やジャズ音楽をお披露目していました。











バルディーニ公園

フィレンツェのアルノ川を渡ったところには、2つの代表する公園があります。1つはボーボリ公園。もう1つはバルディーニ公園。 この2つの公園を綴り券1枚で梯子することができます。

入場券に含まれているのは、次の通り。
○ ボーボリ公園
○ バルディーニ公園
○ 銀器博物館(ピッティ宮殿内)
○ 衣装博物館(ピッティ宮殿内)

料金:10ユーロ
*もしボーボリ公園だけなら上記2つの博物館が含まれて7ユーロです。

6~8月は8時15分から19時30分まで開園しているので、夏に訪れる方はこの綴り券を購入されることをお勧めします♪ 月の第一と最終月曜日は閉館なので、ご注意を。

ある晴れた日。この綴り券で2つの公園へ行ってきました。 今回はバルディーニ公園をご紹介。 発券所を通り、階段を登ると、そこは別世界。 フィレンツェの雑踏が嘘のように、緑が豊かで空気が美味しい。 木々の力ってすごいなあ。 

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そして、横を見やると、大聖堂が目の前に迫って来ます。 フィレンツェに住んで二桁台になりますが、クーポラを見るたびに美しいと心から感じます。自然が作ったものでも、人間が作ったものでも、「完璧な美しさ」というのは、見飽きないものなんですね。

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もちろん、ここではみんな記念撮影。 あまりの美しさに、ぼ~っと眺めている人も多し。ちゃんとぼ~っとできるように、ベンチもありますよ~。

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公園はこんな風に段々になっていて、いろいろな小道があり探検気分が盛り上がります♪

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これは高台にある見晴らし所。バールもあり、トイレもあります。 彫刻の間に挟まれ、アルノ川に沿った横長のフィレンツェを見渡せます。 もともとは骨董家ステファノ・バルディーニが購入した庭園。 昔はこの風景を独り占めしていたんですねえ。 なんとも羨ましい。 

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こんな緑のトンネルもあります。 すべて藤の木。 4月頃は藤棚が美しくトンネルを飾り、香しい花の香りを漂わせることでしょう。

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昔も今も、イタリアではこんな風に、戸外でおしゃべりするのが好きなんですね~。 だからちゃんとそれ仕様に、こんな円卓あり、ベンチあり ♪  ここで昔の人達がおしゃべりしていたのを想像すると微笑ましくなります。

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次回はボーボリ公園です!




HOME (空 から見た地球)

すでにご存知の方もいると思いますが、今回はイタリアの話題ではなく、世界中を空撮して、世界の過去、現在、そして来たるべき未来を、美しい映像とともに紹介している、ドキュメンタリー映画の紹介です。

先週の6月5日「世界環境デー」に世界一斉に無料でインターネット公開している映画「HOME 空 から見た地球」の監督は、ヤン・アルテュス=ベルトラン氏、プロデューサーは、あのリュック・ベッソン氏。

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世界のあらゆる風景を空から映した映像と、心に響く繊細な音楽が、なんとも言えず詩的で美しい。でもこの映画では「美しさ」を通して、わたしたちが住んでいる地球の状況、そして近い将来には、この美しい地球はどうなってしまうのか。を警鐘しています。

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まるで自分で自分の身体にナイフを突き刺し傷つけているような行動を取っている、人間達。でもその人間達は世界のほんの20%。先進国と言われる人達が、世界の資源の80%を消費しています。そして消費するために、例えば、井戸水で生活している放牧民族から水を奪い、海を汚染し森を破壊し、植物や動物達の命を奪っています。そしてこれらすべての行いは、近い将来、世界のすべての人達に跳ね返ってくるのです。

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1950年からこの傾向に拍車がかかり、このまま行けば、100年後の2050年には、世界がとんでもないことになっているだろう。とこの映画では静かに訴えかけています。紀元前から何千万年と続いてきた地球の豊かさが、たかだか100年という一瞬の年月で破壊されようとしています。

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わたしたちの「豊かな暮らし」に潜む闇。 政府や大手会社が考え方を変え、一人一人が「豊かさ」とは何かを考え、気づき行動を起こすことで、変えることができる。 簡単には答えはでない、難しい問題ですが、映画の最後で、風力、水力、ソーラーなど、自然のエネルギーを利用しているさまざまな例も紹介しています。

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破壊には100年で足りても、再生には気の遠くなるような年月がかかることでしょう。次世代に美しく豊かな大地を受け継ぐことが出来るか否かは、私達の世代に大きくかかっている。と言えるのではないでしょうか。

わたしは 「ほ~。リュック・ベッソンがプロデューサーかあ。」 なんて軽い気持ちで見始めましたが、グイグイと引き込まれてしまいました。破壊する一方、こんな風に救おうとしている人もいる。人間捨てたもんじゃない。

この手の映画は賛否両論に分かれるところでしょう。 わたしにとっては、心にグサリと刺さった、かなりインパクトの強い映画でした。 日本語字幕はまだないかもしれませんが、ぜひ、映像だけでもご覧になって見て下さいね。 今回はちょっと重い話題になってしまい、すいません。
















あら、まぁ~ 

あら???

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まぁ~

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お財布のなかに入っていた偽2ユーロを発見!! ぜんぜん気がつかなかった。。 だってイチイチ確認しないもの~(泣)。 2000年にユーロ通貨が流通してから、これで2度目。 真ん中の金丸といい、外側の銀丸といい、パッ見ただけじゃわからないです。 もちろん、これは欧州では通貨として通用できません。 またコイン・コクレションができちゃったじゃないか!

皆様も、偽コインにお気をつけて。








匂い立つ6月のフィレンツェ

6月に入ると、ちょっとした公園でも、「甘~く気だるい匂い」が漂います。 

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その正体は? イタリア語でティーリオ。日本語でリンデンの木です。こんなにタワワに花をつけて、蜂や蝶々や人間達を引き寄せています。 おおきなリンデンの木の下を通ると、ポチポチと蜜が落ちてくるほど。 車を木の下に停めたら、洗車必須ですね(笑)。

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花はパっとしないけど、公園の周囲に樹林されていて、まるで日本の桜並木のようです。 
花をよ~く見るとこんな感じ。

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そしてもう1つの花は? そう、こちら、ジャスミンの花。

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ジャスミンは建物の壁に植えられていて、近所を散歩すると、ふわ~っと良い香りが、お家のあちこちから漂います。そして、「もう少しで夏だな~。」と思うのです。

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先週の月曜日と火曜日は37度くらいあって、朝から熱風が吹き、「え~!? もう7月か?!」とビクビクしていましたが、週末に雨が降りぐっと気温が下がり、週末は17度(20度も違う。。)。 いまは26度前後で安定しています。

日中は、太陽の日差しの元にいると暑いけど、朝晩&建物の中は冷えるので、この時期に来られる方は、薄手の長袖を持参されると重宝しますよ♪ そしてイタリアの夕食は、オープンエアでお楽しみくださいませ。 いまは21時頃まで明るいですよ。 室内よりワイワイ賑わっていて、楽しいと思いま~す。









フィレンツェ中心街にある個人邸宅のようなプチホテル

アットホームで静かな滞在ができる個人経営の小さなホテルをご紹介。部屋数は6部屋と少なく、ゲストひとりひとりに心のこもったサービスを提供しています。部屋の間取りが広く、天井は木の温もりを感じさせる梁、床は歴史あるテラコッタ、美しいリネンでメイキングされた広いベッド。まるでお屋敷に滞在しているようです♪

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このアンティークな建物の歴史は15世紀に遡ります。貴族の住まいだった屋敷を改装してエレガントでロマンチックなプチホテルに生まれ変わりました。オーナーはこの邸宅で生まれ育ち、代々伝わるアンティック家具は、おしげもなくお客様の部屋に飾られています。

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イタリアンマンマというより、マダムと呼んだ方が良いここのオーナーは、グラッツィエッラといい、気さくで明るいイタリアンマダムです。 様々なファシリテイが揃ったホテルもいいけど、こんなフレンドリーなイタリア人と出会えるプチホテルへ滞在してみるのは、いかがでしょうか。

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ただし、ホテルのように常時スタッフがいないので、忘れずにチェックイン時間を告げておいて下さいね。 また、イタリアの街は古く、一般にエレベータは日本ほど普及していません。ここも階段のみですので、荷物が重くてお一人で持ち上げられない場合は、主人にあらかじめ告げておいてください。チェックイン時に鍵を渡され、出入り自由です。地元に溶け込んだ、暮すような旅が体験できることでしょう。

場所は、ペルゴラという劇場の近くで、ドゥオーモまで徒歩5分です。

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この蔦に絡まれた趣のある建物がペルゴラ劇場です。
プチホテルはその隣の隣くらいにあります。

グラッツィエッラと知り合ってから数年。わたしにとってはフィレンツェの叔母さま。という感じの人。今回はその彼女から連絡があり、6月の3週目に開催されるピッティウオーモ(メンズ見本市)のときに、6月17日から1部屋空いたから、「陽子案内して~!」というヘルプがあり、掲載しました(笑)。

見本市に来るべく、ホテル探しに奔走している方がいたら朗報ですよ! いまなら空いてます。 見本市会場までは徒歩で10~15分。直接にプチホテルのメルアドに問い合せてくださいね。

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浴槽付きのお部屋があります。

観光で来られる方で、興味を持たれた方がおりましたら、6月19日以降は空き部屋もあるそうです♪ ぜひイタリアンマダム、グラッツィエッラに会ってみて下さい。楽しい人ですよ~。

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プチホテル「PANELLA」の位置は、赤丸のところです。


Panella's Residence
Via della Pergola, 42, 50121 - Firenze
Tel.: +39 055 2347202
Cell.: +39 335 6071444
Fax.: +39 055 2479669
E-MAIL: panella_residence@yahoo.it

** HPに掲載されている金額は朝食込みです。







フィレンツェにあるシルク工房 4/4 : 工場内 

シルク工房案内の最終編です。こちらは、模様を織りこむ機織り機の様子。糸がいっぱい。これらの模様を1ミリづつ織っていきます。 

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実際に生地を織っている様子。 機織りをする人は座っているイメージがありますが、ここでは人間が立って、足下にある太い角材のような踏み台を上下に動かしながら織っていました。 彼女はこの道20年。


現在この工房で生産中の、生地模様。 写真左上のピンク地の模様は、糸が細い上に模様が複雑なので、1日に織れる幅は10センチだそうです。 見学者を工場内にいれることで、生産が中断することの重要さが、良く分かりました。。

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この工房で唯一の、男性機織り職人が生地を織っている様子。 ここでは2本の別種の糸を同時に織り込んでいます。 やはりこちらも足で踏み込みながら機械を動かし、さにら同時に右手で糸の操作をしていました。 かっこよかった~。 仕事っぷりに惚れました(笑)。


生地の模様はカードが作ります。カード一枚が、機織りで1回の動きです。だから、もし1つの模様が長さ90メートルとすると、90枚のカードが必要で、150メートルだったら150枚のカードが必要となります。 もしこのカードが壊れたら、生地も織れなくなります。 

いまはもう、カードを修復する職人がいないので、この工房では苦肉の策として、写真右側のように均等に穴のあいた鉄製の板に、現存するカードをあてて、穴の空いているところに、棒を指します。この鉄製の板は二重になっていて、金槌で棒をガンガンを差し込むと、中間に挟まっている新しいカードに穴が開くとういう仕組み。

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このカードを機織り機の上に掛けて、糸と連動させることにより、織りが生まれます。これが機織りの上の部分。 小さな梯子に登り、作業をします。

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この工房見学の最後に、こちらをご案内。 ちょっとピンボケしていますが、工場内にある修理室です。工場の機織り機を修復できる職人はもういないようですが、ここでは、修復家でも職人でもない、でも機械に詳しいイタリア人男性が、一人で修理しています。彼の手にかかると、不可能なことはないそう。 あらゆる想像力を駆使して直してしまう、スーパーマン。 彼がいるから、この工房も安泰でいられるのです。

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そして彼に限らず、誰が欠けても1枚の生地を完成させることができません。だから、受注を多く抱えて納品が近づいているときは、休日出勤当たり前。 熱が出ようと、みんながんばって出勤してくるそうです。 納品に間に合わせるように。というのが大前提でしょうけど、自分達の仕事に情熱と誇りを持ち、愛情があるのも、彼らを突き動かしている大きな原動力になっていることを、肌で感じた工房見学でした。

2部構成のはずが、念願の工房へ入れたという感動で、文章も内容も削れずに、結局4回にわけてご紹介するようになってしまいました。 長らくお付き合いくださいまして、ありがとうございます。


Antico Setificio Fiorentino S.P.A.
Via L. Bartolini, 4 50124 Firenze
Tel +39 055 213861 Fax +39 055 218174

開店時間:月~金 9時~13時/14時~17時
ショールームのある工房内には呼び鈴を押して入るようになります。





フィレンツェにあるシルク工房 3/4 : 工場内 

余程の機会に恵まれないと見学ができない工場なので、じっくりお伝えしたいと思います。デジカメに付属しているビデオでも録画しましたが、そのままこのブログに掲載してしまうと、重くなってなかなかページが開けなくなってしまう恐れがあるので、いくつかは、ビデオへのアクセス・アドレスを掲載しました。 

”ご面倒でも、ぜひぜひ! ご覧ください。” 実際に動きを見ると、より心にぐっと伝わると思います!


母から娘へと受け継がれている職人達とスタッフは全員で10名。 職人達が動かす木製の機織り機は6台で1700年代もの、機械製の機織り機は7台で1800年代ものを使っています。

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工場内の様子。機械がところ狭しと置かれています。
すべて1700年代と1800年代のもの。
イタリア製、スイス製、フランス製と出所はさまざま。


シルクの染色は、フィレンツェ郊外で手作業で行われますが、すべて自然のものを使っています。 1700年代と1800年代の機織りを使って作業が進められるので、速度は遅く、そのため、仕上がった生地は耐久性に優れているそうです。染め上げられた糸は、アンティコ セティフィーチョ フィオレンティーノの工場内で紡績されます。

2905 setifico ecc1

糸を紡ぐ機械。極細のシクル糸です。 

動画は下をクリックしてください。
↓↓↓↓
フィレンツェのシルク工房1


DSC03923_20090602192922.jpg

この機械で実際に機織りで利用できるように糸を均等に紡いで行きます。
シルクの糸の接するところは、ガラス製か陶製でできています。
この2つの素材のみが、摩擦により糸を切らないそうです。 

動画は下をクリックしてください。
↓↓↓↓
フィレンツェのシルク工房2


工房には1700年代にレオナルドダヴィンチのデザインをもとに作らせた木製の機械もあり、いまでも元気に動いています。
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これがその機械です。大きさは2メートルくらい。


下の動画は、糸を均等にしいてるところ。二人がかりの作業です。


フィレンツェのシルク工房3

この機械を、横と手前から見たところ。 糸がたくさん縦に置かれいます。

2905 setifico ecc


機織り師は全員が女性と思いきや、一人だけ男性も含まれていました。いまから5~6年前に世代替えがあったらしく、20代後半から30代後半の職人もいます。案内してくださったスタッフは、昨今は後継者の問題を抱えている職人工房が多いなか、私達は本当に恵まれています。とおっしゃっていたのが、とても印象深く心に残っています。


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機織りにかけている様子。 糸の光沢が素晴らしかったです。


気になる糸はどこから入ってくるのでしょうか? 意外ですがブラジルから輸入しているそうです。ブラジルは、蚕が食べる桑が良く育つ土壌にあるため、吐き出す糸も質が良いそうです。 中国も蚕産業は有名ですが、アンティコ セティフィーチョ フィオレンティーノが作る生地にはどうも合わないらしいです。 

次回は模様を織りこむ機織り機の様子をご案内します!


Antico Setificio Fiorentino S.P.A.
Via L. Bartolini, 4 50124 Firenze
Tel +39 055 213861 Fax +39 055 218174

開店時間:月~金 9時~13時/14時~17時
ショールームのある工房内には呼び鈴を押して入るようになります。




フィレンツェにあるシルク工房 2/4 : 歴史

前回に引き続き、シルク工房をご案内します。ご紹介するシルク工房は「Antico Setificio Fiorentino(アンティコ セティフィーチョ フィオレンティーノ)」といいます。 前回は工房のショールームをご案内していますので、今回初めてお立ち寄り下さった方は、 こちらももぜひご覧くださいね。

今回は、「工房の歴史」と「実際に生地を織っている工場内」をご案内するつもりでしたが、歴史の文章が長くなってしまい、前後編ではなく4部構成にしました。 今回は歴史です。 複雑になってしまい、すいません。 工場内見学を楽しみにしていた方、もうちょっと、お付き合いください。

アンティコ セティフィーチョ フィオレンティーノの歴史

フィレンツェの中世時代には、数多くの商業組合が形成されました。その1つに「アルテ・デラ・セータ(絹織物組合)」があります。1300年代から1400年代に全盛を迎え、フィレンツェの貴族、豪華商人、欧州の王族、貴族からの受注を預かっていました。 ウフィッツィ美術館に見る、ルネッサンス時代の絵画の貴族の服装にも、豪華絢爛なものがありますが、これらも、絹織物組合、そしてもう1つのフィレンツェの重要な組合、毛織物組合が作ったものです。

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これがアルテ・デラ・セータ(絹織物組合)の紋章です。


時は移って1600年後期。フィレンツェの貴族達がシルク生産場所を1つにし、分散していた機械や各邸宅に保存されている生地のデザイン画を集中させることにしたのです。これらの貴族には、ゲラルデスカ、プッチ、バルトロッツィ、コルシーニ、アグレスティなどが含まれていました。

そして、このシルク工房に、工房を設立した貴族達の受注をすべて引き受けさせたのです。貴族達は、生産させた生地を利用して、調度品、サロン、私有礼拝堂などを装飾したり、結婚や特別な行事のための調度品の装飾や衣類に仕立てさせていました。

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中世時代からルネッサンス時代にかけてのシルク工房の様子。


この工房は、1786年から「Antico Setificio Fiorentino(アンティコ セティフィーチョ フィオレンティーノ)」の名で会社として機能し始め、それが現在でも続いています。この年の6年前の1780年には、当時のトスカーナ大公ピエトロ・レオポルドにより、量販生産ができる最新式の機織り機が導入されました。いまでもこの機械は職人達の手により現役で動いています。

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サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のルネッサンス時代のフレスコ画。
ご夫人達は、絹織物組合と毛織物組合が作ったメイド・イン・フィレンツェ
の豪華なドレスを纏っていました。


さらに時は移り1954年。フィレンツェの伝統と文化に愛情を抱く、エミリオ・プッチ侯爵を筆頭とした貴族達が、この会社の責任者になります。それに伴い、海外へも、この会社の存在を知らしめることになります。

エミリオ・プッチの跡を継いだアレッサンドロ・プッチ侯爵がさらに力を入れ、昔の機織り機の修復を行わせ、いまも現役で動いています。そしていまでもアンティコ セティフィーチョ フィオレンティーノは、プッチ侯爵家の活動の一旦を担っており、「世界で1つ」の生地を作り続けています。

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こちらはブランカッチ礼拝堂のフレスコ画。マゾリーノ作。
緑の服のデザインは、この工房のデザイン画の1つとして記録されています。


機械はいまでも、1700年代と1800年代のものを使っています。この工場に足を踏み入れるということは、200年から300年を遡りタイムスリップすることなのです。 

お待たせしました! それでは、次回は工場内に足を踏み入れましょう。 

Antico Setificio Fiorentino S.P.A.
Via L. Bartolini, 4 50124 Firenze
Tel +39 055 213861 Fax +39 055 218174

開店時間:月~金 9時~13時/14時~17時
ショールームのある工房内には呼び鈴を押して入るようになります。

*お断り:掲載している写真はすべてWikipediaのものを利用しました。

** わたしのHPの  「貴族の御用達 職人工房とアートの関係」で、このような、貴族と職人工房の関係を旅する企画があります。 興味のある方はご連絡くださいね♪ **






フィレンツェにあるシルク工房 1/4 : ショールーム

去年の12月に予約を入れていた、待ちに待ったシルク工房の見学の日が来ました。 これはフィレンツェ市が主催した工房見学で、去年の10月下旬頃から行われていたもの。過去には同主催のメンズスーツの工房見学 へ行ってきました。

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工房のネームプレート


12月に予約をいれた時点で、すでにほぼ予約で埋まっていたこの工房。人数限定で15名。ショールームには誰でも行けるものの、工房のハートである生地を作る工場へはなかなか入ることができません。 機械がところ狭しと置かれているので、見学者に怪我をさせたり、機械を壊されたら大変という理由と、なによりもまず、職人さんの仕事を中断させてしまうことにより、生産が一時ストップしてしまうからです。 

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工房の外観


案内してくれた工房のスタッフからも、「めったに見学を許可しないので、皆様はラッキーですよ。」とおっしゃっていました。 過去に何度かお客様をショールームへご案内しましたが、この工房の存在を知った時から、「一度は工場へ足を踏み入れたい。」と強く願っていたのが、やっと現実になりました! 指折り数えて待ったシルク工房見学の日。

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呼び鈴を押して門を開けてもらいます。 特別なお客様になった気分♪


中心街からアルノ川を渡り徒歩10分ほどで辿り着くこの工房は、中心街の賑やかさからは想像できないほどに、静寂な緑に囲まれた場所にあります。 聞こえるのは機織りの音だけ。 このシルク工房は「Antico Setificio Fiorentino(アンティコ セティフィーチョ フィオレンティーノ)」といいます。 フィレンツェの伝統的なシルク工房。という意味になりますでしょうか。 歴史については後編に譲るとして、まずは、ショールームへとご案内しましょう。

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工房の中庭。とてもフィレンツェの中心街とは思えない、
小鳥がさえずる緑豊な空間です。


ショールームには、工場内で生産された各種多様な生地が陳列されており、クッションや巾着、サシェなども販売しています。

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このような部屋が生地の特徴に分けて3室あります。


アンティコ セティフィーチョ フィオレンティーノの生地のデザインは、古文記録にも登録されており、そのなかのいくつかは現在でも製作されています。そのほかのデザインに関しては、お客様のリクエストにより製作可能ということです。

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1ミリづつ織った生地の様々な模様。 デザインと光沢がため息がでるほど美しい。


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生地販売だけじゃなく、商品化したものもショールームに展示してあります。


生地の模様には様々なものがありますが、ルネッサンス時代のダマスク模様、年代の異なるシルクと麻で作ったブロケード(薄織り錦)、1600年代のシルク製ランパ織などがあります。 用途としてはインテリアが主で、モダンそしてクラシックスタイルのインテリアのどちらにも対応しています。 


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古文記録にも登録されている、さまざまな織りの生地です。


薄いシルクの生地は、シャツや結婚式用のドレスを作られる方も多いということです。ルネッサンス時代のタフタでも特に「エルミジーノ」というものは、1種から2種の糸を平織りしたもので、糸が極細のため、生地がとても薄く、さらに光によって多彩な色に見えます。この特徴はイタリア語でカンジャンテと言いますが、日本語では玉虫色と表現されることでしょう。 気になるお値段は、メートルが約250ユーロから。 


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この生地は赤へ緑へと、光の差し方により色が変幻に変ります。うつくしい~。


これらの生地を使ったドレスは、ルネッサンス時代のフレスコ画や絵画に見ることができます。ウフィッツィ美術館所蔵のミケランジェロ作の「トンド・ドーニ」の聖家族が身につけている服も、やはりエルミジーノが使われているのでしょう。

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これがミケランジェロ作の「トンド・ドーニ」です。 
生地が光を反射してメタリックのような、輝くようなエフェクトを醸し出しています。


第二次世界大戦で損傷を受けた歴史ある邸宅の修復も行い、そのなかにはローマのクイリナーレやパラッツォマダマも含まれているそうです。またシエナの祭り「パリオ」に使う旗もこの工房で作っています。世界に目を向けると、デンマーク女王やモナコ王室も顧客ということ。さらに特筆すべきは、1999年にロシアのクレムリン宮殿の修復に呼ばれたことでしょう。壁に装飾されていた生地を研究して、出元がこの工房だと分かったそうです。

余談ですが、このクレムリン宮殿修復に関わった職人は、ほとんどがトスカーナ人だったということです。なかでもフィレンツェではこの工房を始め2~3の工房が呼ばれていました。 すごいぞフィレンツェの職人さん達! 

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こんな風に、ソファやクッションにも使えます。


Antico Setificio Fiorentino S.P.A.
Via L. Bartolini, 4 50124 Firenze
Tel +39 055 213861 Fax +39 055 218174

開店時間:月~金 9時~13時/14時~17時
ショールームのある工房内には呼び鈴を押して入るようになります。

次回は工場内をご案内します。 どのように生地が織られるのでしょうか。