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パスクアシリーズ(勝手に)第三弾です。今回はパスクア当日の午前11時にフィレンツェで行われるスコッピオ・デル・カーロのお話し。 日本語では山車の爆発となるでしょうか。 山車はドゥオーモと洗礼堂の間に置かれます。
前回のブログでご紹介した通り、ドゥオーモの主祭壇の前に設置された(模型の)鳩が、糸を伝って山車に向かっていき、トンとくちばしで突いたら火を放つ仕掛けになっています。山車に火が点火されると花火が火を放ち、言葉通り「爆発」したように、山車が火花で覆われます。そして鳩が無事に出発点に戻ったら、この年は豊作。といわれています。
スコッピオ・デル・カーロの起原は1095年に遡ります。この時代、ローマ法王のもと、エルサレムの聖地奪回という名目で十字軍戦争が始まりました。そこにフィレンツェでも特に権力を持っていた貴族パッツォ・ディ・ラニエリ・デ・パッツィが指揮官として1099年に敵地を征服することに成功し、彼はエルサレムに勝利の旗を掲げたそうです。この功績を讃えて、彼にはキリストの亡がらを葬ったサント・セポルクロ(聖なる埋葬地)の石を2つ与えられました。
サント・セポルクロの石は、優れた火打石らしく、火を点火しやすい。パッツィによって持ち帰られた石は、フィレンツェでは、サバト・サント(聖なる土曜日。パスクアの前日の土曜日でキリストが蘇る日。)に、浄化するという意味から、ロウソクに火を点灯する風習がありましたが、その火を点ける石として使われていました。
この石は現在、ロマネスク様式のサンティ・アポストリ教会に保管されています。入り口から向かって左側の最初のチャペルの奥にありますが、すっごく小さい。興味のある方は教会を点灯してじ~っくり見てみましょう。
山車が出発するのは、フィレンツェ中心街から少し外れたところあるポルタ・アル・プラートから。人間が運ぶのではなく4頭の白いトスカーナ牛である「キャニーナ牛」が引いて行きます。(余談ですが、フィレンツェ名物Tボーンステーキはこのキャニーナ牛のお肉ですよ。)
山車に花火を仕掛ける作業は前日には終了してないといけません。でも、そのまま無人にしておくのも不安。ということで、 前日は消防署の人達が山車の中で眠るんだそうです。でも本当に中なのかなあ? 脇でもいいのでは? と思うのはわたしだけ? だって窮屈そう。 それに、もし何かあったら危ない。
これがプログラムです。
グループ1) 9:00 中世の衣装を纏った行列がポルタ・ロッサ(メルカート・ノーヴォ辺り)からシニョーリア広場へ移動したら、今度は、聖なる石が保管されているサンティ・アポストロ教会へ向かいます。
9:30 サンティ・アポストロ教会で聖なる石により点火された聖なる火を、ドゥオーモ広場まで運びます。 サンタトリニタ広場(フェラガモ本店の前)→トルナボーニ通り→レップブリカ広場→ドゥオーモ広場
グループ2) 8:30 同時進行で別な中世の衣装を纏った行列が山車が保管されているポルタ・アル・プラートからドゥオーモ広場まで運びます。 プラート通り→ボルゴオーニサンテイ通り→ヴィーニャ・ノーヴァ通り→レップブリカ広場→ドゥオーモ広場
グループ3) 9:15 旗の舞いをしながら、こちらもやはりドゥオーモ広場へ向かいます。舞いをするメイン会場はレップブリカ広場です。ここでグループ2と出会い、一緒にドゥオーモ広場へ向かいます。
10:00 グループ1)がドゥオーモ広場へ到着。
10:45 ここで、フフフ。なにがあると思います??
6月24日はフィレンツェの守護神サンジョヴァンニの日でフィレンツェは祝日です。そしてこの日にカルチョストーリコ(古式サッカー)の決勝戦が行われます。なんとこのパスクアの日に、6月から始まるカルチョストーリコの対戦相手をくじ引きで決めるんです。
11:00 そうして! いよいよ、スコッピオ・デル・カーロの始まりはじまり~。 鳩はちゃんと出発地点に戻って来てくれるでしょうか?
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