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パスクア(復活祭)の伝統料理

イタリアでパスクア伝統料理の代名詞となるのが、子羊、卵、コロンバ(白い鳩)です。

子羊は昔から神への生け贄として捧げられた動物。この風習はキリスト教では磔になったキリストのシンボルとして置き換えられました。そしてキリストの復活を祝う日曜日(パスクアの日)のお祝いに、ランチのメインディシュとして食します。子羊を食べるのは、四旬節のあとの清浄のシンボルだから。という意味もあるそうです。この子羊は、パスクアでは、ローストにしたり、焼いたりして食べます。

地震のあったアブルッツォ州でも多く養羊されていて、地震のために大きな被害を被った農家の人達を助けるためにも、イタリアの流通業者が協力して、イタリア各地の販売店へ卸しているようです。そして、アブルッツォ州で作られたチーズやお肉を購入しよう。と呼びかけています。

パスクアの卵はウオーヴォ・ディ・パスクアと呼び、パスクアに欠かせないもう1つの食べ物。パスクアが近くなると、卵の形をしたチョコレート、テラッコッタ製、陶磁器製、ゆで卵の殻に色をつけたものなどがお店のショーウインドウに飾られます。

角がなくコロンとした形と栄養価の高い食べ物である卵は、豊かな人生を意味していると言われています。キリスト教ではお祝いの贈り物、さらに再生のシンボルです。再生というのは、キリストが埋葬され、そこから蘇ったことからきているそうです。だから実際に卵を食べなくても、お祝いとして卵型の様々なオブジェが作られます。また、各家庭でゆで卵を教会へ持って行き、ミサのときに祝福を受け、自宅へ持ち帰りランチで食する風習も残っています。

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次にコロンバ。コロンバは白い鳩で、宗教絵画を見るとキリストの頭上に鳩が翼を広げていたりしますが、これはキリスト自身、そして聖なる精神を表しています。フィレンツェでパスクアの日に行われるスコッピア・デル・カーロ(山車の爆発)でも、まず(模型の)鳩がドゥオーモから糸を伝って山車に向かっていき、トンとくちばしで突いたら、仕掛けられた花火がシュルシュルパンパンと火を放つ仕掛けになっています。そしてこの鳩が無事に出発点に戻ったら、この年は豊作。といわれているんです。

いまは商業ベースにのっている、甘いお菓子「コロンバ」。パスクア・ランチのあとのドルチェ(デザート)の主役です。味はクリスマス時期に食べるパネットーネやパンドーロと似ていて、違いは中にアーモンドが入っていたり、表面に甘い砂糖がのっているところです。

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イタリア人はパスクアでたらふく食べた翌日の月曜日、ルネディ・ディ・パスクア(イースターマンデー)の祝日を利用して、郊外に出かけてはそぞろ歩きを楽しみます。天気予報では、快晴ではないようですが、どうか、天気予報が外れてくれますように!
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[ 2009/04/11 20:09 ] @ 美味なるもの | TB(0) | CM(0)

復活祭って?

復活祭ですが、毎年日にちが変ります。どうしてでしょう。新年が明けてから行われるカーニバルは復活祭に続いているのです。時間的な流れで行くと、カーニバル→四旬節→復活祭の流れになります。

毎年復活祭の日が異なるのは、春分の3月21日を過ぎてから最初の満月が出る日曜日を復活祭の日と決めているから、それを逆算してカーニバルと四旬節を決めるようになります。

カーニバルのときは、あとにくる四旬節に向けて、たくさんお肉を食べる習慣があったそうです。なぜかというと、四旬節というのは、キリストが十字架の死をしのんで修養するために、荒野で断食修行した40日間から来ています。そしてその40日間を経ると復活祭(パスクア)が待っているのですが、本来ならば四旬節の時期はお肉等の脂っこい食事をしない断食の期間なのです。

カーニバルの最終日をマルテディ・グラッソといいマルテディは火曜日。グラッソは油とか肥えたという意味。この日は四旬節に入る前に、たくさん食べれる最後の日です。この日を境にして四旬節に入ります。ちなみにフィレンツェではカーニバルの最終日は木曜日でベルリンガッチョといいます。ベルリンガッチョは、食べる、おしゃべりする、飲む、騒ぐなどの意味があるそうです。

さて、復活祭の週です。この週は木曜日から復活祭に向けて準備をします。

木曜日
宗教絵画で「最後の晩餐」がありますよね? 代表的なのはレオナルド・ダ・ヴィンチの絵。使徒がキリストを囲んで夕食をしているシーンです。この晩餐の日は木曜日でした。キリストは晩餐のあとに足を洗いましたが、いまでも、この日はローマ法王が、キリストと同じように足を洗います。

金曜日
キリストが磔になる日。キリストが亡くなられた日なので、司祭などの聖職者は、お葬式用の紫の服を纏い、教会の十字架にも紫色の布で覆われます。そして鐘楼の鐘がならないようにと、紐で結び固定されます。(今年はこの日にラクイラで亡くなれた方々の合同葬儀がありました。)

土曜日
土曜日の夜から日曜日にかけてが、復活祭でも特に大切な時間です。なぜなら亡くなったはずのキリストが蘇るからです。夜中の12時に、鐘に結ばれていた紐が解かれて「キリストが再生した!」という喜びの鐘が鳴らされます。

日曜日
午前にミサがあり、フィレンツェでは11時からスコッピア・デル・カーロ(山車の爆発)があり、ランチで各家庭がお祝いをします。

これが復活際までのなが~いイベントなんです。復活祭が終わると、さあ、いよいよ春ですよ、夏ですよ!