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メモリアルディ

昨日、1月27日は第二次世界大戦で殺戮されたユダヤ人へのメモリアルディでした。テレビではロマン・ポラスキーの「戦場のピアニスト」が放映され、わたしも久しぶりに見て、やっぱり良い映画だなあ。と再感動。02年にアカデミー監督賞を受賞した作品だからご存知の方も多いでしょう。

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放映したのは、レーテ・クワットロという民間の放送局。始まったのは、だいたい9時10分頃。日本では時間通りに放送が始まり、少しでも遅れるようならお詫びのテロップが流れそうだけど、ここはイタリア。10分遅れなんて普通。定刻通りに始まる方が珍しい。しかもコマーシャルが異常に多くて長い。余裕で食器を洗い終え、さらには寝支度までできてしまう。イタリアのコマーシャルに慣れていると、日本のは超高速に思えてしまう。そして見終えたのは12時30分頃。眠いです。。

監督のロマン・ポラスキーは、ポーランド人でユダヤ人として戦時を体験した人。彼は捕まる寸前に父に助けられ逃亡。映画の主人公もポーランド人で、ナチスに逮捕されるが、友人の助けで命からがら抜け出すことに成功。

廃墟を見つけて身を潜めながら暮らすも、ナチスの上官に見つかってしまう。でもこの上官は、彼がピアニストだと知り、ピアノを弾かせることに。そのとき彼が演奏したのが、ショパンの「バラード第1番ト短調作品23」。旋律の一音一音が繊細にそして美しく奏でられていき、戦争に対する不条理、やるせなさ、悲しさといった感情が、心に突き刺すように伝わって来ます。 演奏後、この上官は、たびたび彼のもとを訪れてはパンやジャムなど食料を持ってくるようになります。終戦後、ピアニストは助かり、彼を助けた上官は捕虜になり、収容所で数年後に亡くなったそうです。一方、このピアニストは、シュピルマンという実在の人物で88歳まで生きました。

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写真元:http://www.tbilisi.polemb.net/

人生って、わからないものですね。そしてこの映画では、私的には、ナチスとナチスではないドイツ人も描いているように感じます。「ドイツ人=ナチス」ではないわけです。

友人のお母さんが今年80歳で、イタリア解放軍と進駐していたドイツ兵との銃撃戦に巻き込まれて大変な目にあったそうです。住んでいた家の両隣で銃撃戦が始まり、彼女は目の前を銃弾が飛び交うのを、壁に身を押し付けてただ見守るしかなかったそうです。でも、そのあとに、「でもねえ、戦時中のドイツはナチス一色と考える人が多いけど、食料を分け与えてくれたり、助けてくれたり、優しいドイツ人もいっぱいいたんだよ。」と言っていたのがとても印象的でした。

メモリアルディにこの映画を見て、なかなか考える所がありました。放送時間は異常に長かったけど、見て良かったと思う1作品。
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