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大晦日の伝統料理 その2

コテキーノとレンティッケはトスカーナ州より北にあたるエミリアロマーナ州の伝統食ですが、トスカーナ州はもちろん、イタリア各地で大晦日に欠かせない伝統料理です。

コテキーノは、脂身のある豚の肉を腸詰めしたもので、茹でて食べます。結構脂っこくてクドい味。わたしは2~3枚でもういい。って感じです。もしくは、コテキーノの代わりにザンポーネを食べるところもあります。こちらは豚足ですが、豚の各部位がまぜこぜに入っています。

1500年代にモデナの街が包囲されたときに、敵に食料を与えないために市民が街中の豚を殺すことにしました。でもいつの時代も悪知恵が働く人はいるもの。皆に知られないようにと、そっと肉を豚足に隠して保存した人がいたそうです。これがザンポーネの始まりと言われています。

zampone.jpg(写真:by ペック)

いまのように食が溢れかえっている時代と違い、昔は、寒くて食材が乏しくなる冬を乗り切るための大切な保存食が必要でした。そのなかでも、脂身がたっぷり含まれているコテキーノやザンポーネはご馳走だったことでしょう。時代は変っても、いまも変らず大晦日のクライマックス料理です。

そしてコテキーノやザンポーネと一緒に必ずついてくるのがレンティッケ。切ってもきれない仲なのです。レンティッケは日本語でレンズ豆や平豆のこと。この小さなお豆を大晦日に食べる習慣は、古代ローマ時代の多神教(パガーノ)の儀式から来ていると言われています。レンティッケは幸運を呼ぶとともに、お金も入ってくるという、ラッキーフード。

cotechino.jpg


昔はレンティッケを金貨に見たてて、レンティッケの入ったお財布をプレゼントする習慣があったそうです。わたしも何度かレンティッケの入った小袋をもらったことがあったけど、こういうことだったんですね。

自分の年齢の分だけレンティッケを食べると、幸運とお金が入ってくるそうです。縁起をかついで今年も食べるぞ~。 日本では細く長く過ごせますようにとお蕎麦を食べますが、所変われば、変るもんですねえ。

来年への縁起担ぎとしては、そのほかに、赤いパンツを履く。新しいものを身につける。というのもあります。

みなさまにとって、来年が実りある素敵な年でありますように♪
そして2009年も宜しくお願いします。
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[ 2008/12/30 19:00 ] @ 美味なるもの | TB(0) | CM(0)

大晦日の伝統料理 その1

フィレンツェはとっても寒いです。今日は気温が若干上がりましたが、先週は零下だったのではないかと思われるくらいキンキンした寒さ。 イタリア各地では、どかどかと大雪が降り、久しぶりの本物の冬!ドゥオーモもうっすらと霧に隠れて寒そうです。

duomo.jpg


こんな寒い冬、フィレンツェの大晦日は何を食するのでしょうか。今頃、市場はおばちゃん達ですごい人でしょう。去年の30日に市場へ買い物に行った時は、牛の脾臓がすべて売れ切れでした。「え?」と思われる方もいると思いますが、フィレンツェそしてトスカーナの大晦日の前菜はクロスティーニ・ディ・ミルツァにから始まります。

これは鳥レバーと牛の脾臓をパテ状にして、塩気のないトスカーナパンに乗せたもの。

4人分の材料:
タマネギ  1/2コ
セロリ   1本
牛の脾臓  200グラム
鳥のレバー 150グラム
ニンニク  2片
肉のブロード コップ1杯
イタリアンパセリ 1束
ケッパー  小さじ2杯分
アンチョビ。3枚
バター   小さじ1杯分

作り方:
1)タマネギとセロリを、大雑把にみじん切りします。
2)脾臓の皮を剥いだら、レバーと一緒に小さく切ります。
3)オリーブオイルと砕いたニンニクをフライパンで温め、香りがでてきたら1)そして2)の順番で炒めます。
4)肉のブロードを加えたら水分が飛ぶまでグツグツ煮込みます。
5)みじん切りしたイタリアンパセリ、ケッパー、アンチョビを加えます。
5)塩と胡椒で味を整えたら、バターを落としてかき混ぜて熱をさまします。
6)トーストしたパンに塗り、出来上がり。

crostini.jpg


これをサンジョヴェーゼ(葡萄の種類)の味がしっかりする、キャンティワインと一緒に召し上がるのが美味♪ 
[ 2008/12/29 22:57 ] @ 美味なるもの | TB(0) | CM(0)

メリークリスマス♪

可愛らしいアニメを見つけましたので、ご紹介。
クリスマスの日に地球に不時着してしまった宇宙人を待っていたものは・・・?

宇宙人が食べているのもは、クリスマスに食べるパネットーネというお菓子。 中には砂糖漬けしたオレンジピールや干しぶどう等が入っていて、子供も大人も大好き。 クリスマス時期はパネットーネで朝食をする人も多し。 もう1つ、似たようなものでパンドーロというお菓子がありますが、こちらは中に何も入っていないプレーンなもので、同梱されている粉砂糖をかけて食べます。こちらも美味。

PS. このビデオにはオンオフ機能が付いてないので、すぐに音付きでスタートしてしまいます。ブログに立寄るごとに流れてしまうと大変なので、期間限定で12月25日まで流します。その後に見たい方は、http://www.cartoline.it/zoom-IT.htm?immagine=natalea010.swfでご覧ください。

サンタが街へやってきた!

晴れた休みの日にドゥオーモの前にいたら、シャンシャンシャンと音が聞こえて来た。
「なに? あっはっはっは!」
市バスも粋なことをするじゃない(笑)。 
バスの職員が、サンタクロースになって、中心街をチョロチョロと走り回る小さな電気バスにぎゅうぎゅう詰めになってやってきた。洗礼堂の前でドヤドヤと降りては、居合わせた観光客や市民も大受け。 サンタクロースも子供心に帰って楽しそう。

洗礼堂のあとは、シャンシャンシャンとシニョーリア広場へ向かっていきました♪

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クイリナーレの館

ローマのバルベリーノ広場とトレビの泉を底辺として頂点に当たるのがクイリナーレの丘。ここにクイリナーレの館が格好よく建っています。クイリナーレの館、イコール、イタリア大統領官邸のことです。

イタリアには大統領と首相がいてややこしいのですが、現在の大統領はナポリ出身のジョルジョ・ナポレターノ氏。首相はなにかと爆弾発言をしてイタリア国民の頭を抱えさせることが多いシルヴィオ・ベルルスコーニ氏。一般に内閣や議会で討議内容を決定する行政や、各国との会談を行う外交は首相の仕事。決議された内容の行使や、首相が指名した大臣を正式に任命するのが大統領の仕事。簡単に言えば、首相が動き回って最後の判を押すのが大統領、というような位置関係にあります。この2段システムは独裁政治を回避するために作られたようです。

現在のクイリナーレの館は現大統領ナポレターノ氏が在住していて、24時間、門の前では衛兵が守りについています。大統領が館にいるときには、共和国のシンボルでもある大統領旗が館の正面に掲げられているので一目でわかります。この旗は、大統領が乗りこむ専用車、船、飛行機にも掲げられます。

quirinale_1.jpg


旗には、イタリアの国旗を代表する赤、白、緑の3色が中央に配置され、周囲は青色で縁取られています。国旗の3色は、もともとは19世紀に起こったイタリア国家統一独立運動のシンボルで、イタリアが国家として統一されたときに国旗色になりました。通常の旗は長方形ですが、この旗は正方形。これは縁取りの青色とともに、イタリアの軍隊を意味しており、軍隊の総司令官は大統領なのです。(余談ですがイタリア空軍の曲技飛行隊、フレッチェ・トリコローリのエアショーはとっても素敵です。)

stendardo.jpg


わたしがクイリナーレの館の前を通ったのは日曜の11時頃。ちょうど衛兵の交替時間だたので、偶然にもその交替式を見ることができました。交替は11時と16時に行われるそうなので、ご覧になられたい方はこの時間帯をチェックです。

[ 2008/12/20 00:56 ] @イタリアの都市 | TB(0) | CM(0)

ローマ! パート2

わたしがローマへ滞在したときは100年ぶりの大雨で、フィレンツェではタクシーのおじちゃんに、「ローマへ行くのかい? いや~大変なときに行くね。はっはっは。」と笑われてしまった。それもそのはず、ニュースではローマ近郊でテベレ川が氾濫して街が水浸しになっている様子が報道されたばかり。 

でも中心街は大丈夫との情報を得たので、一抹の不安とともにローマへ向かいしました。フィレンツェからローマへ行くにはトスカーナ州とウンブリア州を通過しますが、至る所で畑が水浸しになっている風景を目の当たりにし、乗り合わせた乗客も「これはすごいことになっているねえ。」と口々に言い合っていました。

さて、実際にローマに到着すると駅付近は雨は降ってはいたものの、まあ、普通の雨って感じ。テベレ川まで言ったら、「あれ? 人混みが。」そう、川の水圧に押され流され、天使城橋に船がひっかかってしまったのです。橋から約300メートルの所にある木にロープを巻き付けて人力で船を取り除こうとしているらしい。

できるのかなあ。なんて疑心暗鬼していたら、テレビのレポーターまでやってきた。カメラに向かって話しをするレポーター。右下写真の奥にその風景が映されています。その後ろでは「エンヤ エンヤ」とロープを引く姿。3分くらいでテレビのレポーターは帰って行き、その時点でロープ引きも終わり。 てことは、なに? ニュースのための演技だったの? 

昨夜は2隻が橋にかかっていて、1隻は昨夜のうちに取り除かれたらしいけど、このときも人力でやったらしい。だから、そのときの模様を翌日に再現したのかしら。 陰の報道を見た感じ。貴重な体験(笑)。

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さらに歩を進めると、橋の半分以上が川に埋没しているのが良くわかる。天気の良い日は川沿いを散歩できるけど、表札が埋没して頭だけが顔を出している。本当に、大変な雨だったんだなあ。と実感。でもいまは氾濫の危険が回避されて通常どおりのようです。

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そんな様子を見ながら辿り着いたのはトラステヴェレ地区。ここはローマっこが集まる活気のある場所。美味しい食べ物屋さんがたくさんありそう。午前中ずっと歩き通しだったので、お腹はペコペコ。車通りからちょっと外れた小さな広場で切り売りピザ店を発見。

外見はなんだかシロウトっぽいが、狭い店内にいるのは地元の人達。さまざまなピザが並んでいて美味しそう。2種類のピザを注文してその場でパクつきました。 生地がサクサクと食べやすく、トッピングのトマトやモッツァレッラチーズも新鮮。「ん~旨いぞ。」 もっと胃袋が大きかったらいろいろと試せるのに。残念。久しぶりにピザで唸りました。 

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場所はトラステベレ地区への入り口、シスト橋の近くです。近くに立寄ったらぜひお試しを。
[ 2008/12/19 23:36 ] @イタリアの都市 | TB(0) | CM(2)

ローマ! 

100年ぶりの大雨という貴重なローマ体験をしてきました(笑)。ハイシーズンはなかなか行けないし人もすごいので、この時期にヨシ!と気合いをいれて、プライベートのローマ観光。雨は降っていてもクリスマスの雰囲気は色落ちることなく、この時期だからこそのローマを堪能。それにしてもローマは広い! 荘厳で大きな建物が多いから、目の前に見えていてもひたすら歩く。なかなか辿り着けない。フィレンツェとは大違い。毎日12時間は歩いたと思う。

今回はスペイン広場は通り過ぎただけでショッピングもなし(泣)。廻ったのは美術館、教会、遺跡、展示会等々。文化滞在でした。

1日目の日程は、Sant'Ivo della Sapienza - ナヴォーナ広場 - ブラマンテの回廊でジュリオ・チェーザレ展 - サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会 - パンテオン - カンポ・ディ・フィオーリ と、午後にローマへ着いたわりには、結構盛りだくさん。

ナヴォーナ広場を起点にその周辺の教会等を見て来ました。最初に訪れたSant'Ivo della Sapienza の教会内部は日曜日だけ開くので見ることはできなかったけど、中庭には入れました。通常の中庭は四角形になっているけど、ここは弧を描くように設計されていて、その中央に螺旋状に天に向かって旋回している教会の屋根が聳えていて、本当は小さな中庭が大きく見えます。もちろん意図して設計されたもの。作ったのはフランチェスコ・ボッローミニ。 ヴァティカン広場を設計したジャンロレンツォ・ベルニーニに次ぐ、バロック時代を代表する1人です。雨降るなか「おお~」と感動することしきり。 ガイドブックにはあまり掲載していないけど、変った教会で面白いのでナヴォーナ広場へ行ったついでにぜひお立ち寄りを。 住所はCorso del Rinascimento 40です。

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ナヴォーナ広場はローマ時代は競技場に使われていました。楕円形の細長い形をしているのはそのため。いまは中央に、ジャンロレンツォ・ベルニーニ作の噴水が、そして正面右手にはボッローミニ作の教会が。2人は若い頃は仲が良かったのに、年が経つに連れて離れて行き、最後は対立するようになったということ。この2人の作品がナヴォーナ広場に共存しているのも面白い。建設中はお互いに権勢しあっていたのかしら。

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わたしが行ったときは、広場に所狭しと屋台が並び、メリーゴーランドが置かれ、雨に濡れた広場に美しい光を落としていました。ライトアップされた幻想的な噴水と、賑やかな人混み。ああ、クリスマスって感じ♪



パンテオンに入ると床が濡れていました。うん? と見上げると「そうか。そうだよね。納得。」。天井中央に穴が開いているけど、ガラス等で塞いでいないから、雨が降るとそのまま床面が濡れてしまうのです。すごいなあ、ローマ人。 約2000年は経っているのに。よくここまで美しい球の天井を作ったものだ。いつの時代もこのパンテオンは人を魅了してきたのでしょう。 天気の良いときは太陽光が差し込んで光の大きな筋が床面を照らし、その光が時間とともに室内を廻る自然の演出。 すごいなあ、ローマ人。心が豊か。

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帰り道にライトアップされたサンタマリアマッジョーレ教会をパチリ。モザイクがライトアップされていて美しい。 この教会はヴァティカン市国所有。だからヴァテイカン市の警備員が教会を守っています。

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夕食はカンポ・ディ・フィオーリ付近でしたけど、イマイチでした。あまりの寒さと空腹と足の疲れで勘が鈍ったのか。悔しいぞ。でもフィレンツェのイマイチなトラットリアよりは美味しかったから、(無理矢理)良しとしよう。

モニュメントばかり見て疲れた頭と目を通りに移すと、可愛らしいイルミネーションが街を彩っていました。 
さあ、明日も歩くぞ。

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[ 2008/12/18 04:12 ] @イタリアの都市 | TB(0) | CM(0)

メタル小物職人

フィレンツェを案内するようになり、初めて足を踏み入れた職人工房。あれから年月が経ちましたが、いまだに魅惑の力は衰えることなく、心にぐっと迫って来ます。金属の塊や木の木片を切って延ばして装飾を施してと、本当に過程の1つづつが手で作られていて、その工程は見ているだけでも楽しく驚きの発見ばかり。機械で大量生産される物を見慣れた私には、かなりインパクトが強くショッキングでした。

手作りだから高価と思いきや、実際に作っている場で購入できるから、工房のタイプによってはエコノミーな金額で入手可能。ここ数年のクリスマスプレゼントは、そんな工房で選んでいます。狭い部屋には様々な作品が並べられていて、宝探しのように選ぶのが楽しい。

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今回は私の中での最近のニューエントリー、メタル小物職人工房の紹介です。この工房は普通のアパートの中にあり、呼び鈴を押して入って行きます。通りからまったく見ることができないので、この工房と出会うのに時間がかかってしまいました。

職人はジュリアーノ・リッチさん。46年間この仕事に携わっていて、メタル小物工房はフィレンツェでここ一件だけ。場所は、サントスピリト広場12番地にあります。主に真鍮や銅を加工して小物を作っています。地下と1階には機械の置いてある部屋、ジュエリー工房のように歯医者さんのような機械が並べられている部屋、磨きをかける部屋、ショールームといった具合。

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メタルに模様をつけるための型は、約100年間の歴史が詰まっているデザインばかり。工房オリジナルのものからお客様の特別オーダーのものまで40~50種類あります。

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1900年代初頭の機械はいまだに現役。この機械に型とメタルを押さえて模様が付けられます。それにしても、この時代の機械は美しい。出会うたびに感動。機能美とでも言うんでしょうか。

雑然とした工房で作られる製品の顧客は、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局、クリスチャン・ディオール、ハロッズ、ポッジ(フィレンツェの老舗の高級小物&食器店)、ニーナ・リッチ等。この小さな工房から世界へと輸出されていきます。奥さんのマリアさんと二人三脚でここまでやって来ました。年間の生産数は約15,000個。

製品には、小さなバッグ、名刺入れ、フォトスタンド、小物入れ、ピルケース、手鏡、キーホルダー、ペンダンド、指輪、ブレスレッド、ネックレス、etc...。

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ジュリアーノが1つづつ心を込めて作ったも製品が、ショールームに所狭しと並んでいます。工房見学では、1ユーロで思い出に残る小さなオブジェを手にすることができます。それはいったい何でしょう。それは行ったときのお楽しみ♪ 

このような職人工房見学を行っています。
どのような工房を見学されたいか希望をお伺いして、3.5時間で約3件の工房をご紹介します。
→詳細はこちらから「職人工房見学」。

>>>>>>> お問い合わせ先: yoko.ig@gmail.com <<<<<<<<<




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12月の風物詩

普段は日曜日は閉店のお店も、12月になるとクリスマスまで土曜、日曜なしに営業するイタリア。フィレンツェもしかり。 だから週末はす~っごい人。 観光客が多いこの街に、12月はフィレンツェ人そしてトスカーナ人でどっどーと溢れかえり、占領されます。


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別にこれ、歩行者天国じゃないです。車は通るの大変そうでした。


みんなプレゼント探しに必死なんですね。ニュースによると、今年は不景気ということもあり、5~10ユーロの商品が良く売れているようです。でもなかには、ブランド店の袋をいくつも抱えている人もいるから、みんなが不景気ということでもなさそう。

さらにイルミネーションが始まったから、ランチで食べ過ぎた腹ごなしに、じゃ中心街まで行こか。なんて繰り出す人も多し。 だから、まっすぐ歩けな~い。

本当ならイルミネーションの写真を撮ろうと思いましたが、人が多すぎて全然きれいに撮れない。だったらいっそ、12月限定のこの雰囲気を映しましょう。ということで今回は「人混み・イン・フィレンツェ」です。人混みはあまり好きな方じゃないけど、こういうイベントものは活気があって良い感じ。

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フィレンツェの歴史

10月末からだいたい2週間おきに開催される、歴史家または有名大学の教授によるフィレンツェの歴史のレッスンに、やっとのことで行って来ました。わたしが行って来たのは12月7日のレッスン。場所はフィレンツェ中心街にあるオデオン映画館。11時開始だから10時に行けば「余裕で」入れるだろうと思いきや(!)、長蛇の列。

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会場係員に、「この列は入館する人?」と屈託なく聞いたら、なんとみんな「マチネ」の人。すでに会場内は満席で、キャンセルが出るかもしれないという僅かな希望を抱いている人の行列だと言うことをこのとき初めて分かりました(泣)。 ああ、無知というのは恐ろしい。。 笑顔は顔から消え(笑)、すぐさま列に並んだ私。”藁をもすがる気持ち”という心境は、きっとこのときのわたしの気持ちを指すのでしょう。だからそのときの写真はありません。 自分も必死だったもので(笑)。すいません。

座席数600。入場無料。 せめて入場料を取っていれば、長蛇の列も少しは回避できたろうに。と思うのは私だけではないはず。それだけ、フィレンツェの歴史に感心を持っているフィレンツェ人が多いということでしょう。

10月26日と11月16日の、す~っごく行きたかった教授のレッスンを泣く泣く逃したわたし。特に11月16日にレッスンをしたフランコ・カルディーニ氏は、わたしがガイドになりたいと言う思いを後押ししてくれた、素晴らしき教授。彼の本はとても読みやすく、紀元前から現代に至るまでのフィレンツェの歴史を簡潔な言葉で、しかも情熱を込めて語っているのです。 今はオレンジ色の表紙になり改訂されています。もし興味のある方がいればとてもお勧めの一冊。

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さて、この寒い日曜日の朝にマチネをしたかいあって、キャンセル席残りわずか6席の1席をゲットできました! このときに心境といったら、言葉では言い尽くせないくらい。 この日の教授はアドリアーノ・プロスペリ氏。 ピサ大学の教授です。 お題は「サボナローラ」。 周囲はフィレンツェでは有名な有名人や政治家、そしてコメンテイターのメンツが並んでいました。 彼らは招待状で入館できたんでしょうね。 ああ羨ましい。 そして、わたしを中に入れてくれる為に順番を譲ってくれた素晴らしきシリョーレと相方に感謝です(泣)。その後10分後には、席を譲ってくれたシニョーレと相方も無事に入館できたことを知って安堵。

レクチャーは予期した通り素晴らしいものでした。サボナローラは豪華王ロレンツォが死去したあとに台頭したドメニカ派の修道僧。のちに火あぶりになり処刑されるのですが、その背後に、一般の本では知りうることができない、ローマ法王を含めた政治的理由があったなどの、面白くそして大変興味深い裏のストーリーを聞くことができました。

次回は12月21日。お題は「マキャッヴェッリ」。招待状をゲットできなければ(99%無理)、朝の8時には並んで席を確保します。 このレクチャーは3月8日まで続きます。それまでは日曜日というのに、7時起きを余儀なくされそうです。でもVale la Pena ! (その価値大有り!)です。
[ 2008/12/10 04:34 ] @展示会やコンサート | TB(0) | CM(0)

フィレンツェのクリスマス情報:無料コンサート


フィレンツェでは12月から1月5日にかけて、中心街のあらゆるところでクラシックコンサートを無料で聞くことができます。下記にリストがありますので、この時期にフィレンツェへ来られる方はぜひ足をお運びくださいね♪ リストには中心街で開催されるものだけをピックアップしています。

どんな様子なのかは、9月18日付けで掲載した「教会でのクラシックコンサート」をご覧ください。カテゴリの「イベントと展示会」にあります。

夜開演のコンサートが多いので、行きたいけど道に迷いそう。とか、暗くなると怖い。と不安な方はわたしのHPにあるメルアドまでご連絡ください。クリスマスシーズンオンリーの特別企画でご案内します。

12月7日 21時から
場所:トルナブオーニ通りのアンティノーリ宮殿前にあるサンガエターノ教会
TRIO DELL'ACCADEMIA MUSICALE DI FIRENZE.
Violino: Flavia Di Tomasso; Viola: Lorenzo Sbaraglia Violoncello: Shu Jeong Won.
Musiche di W.Mozart, F. Schubert, G.Faure'

12月9日 18時から
場所:レップブリカ広場にある本屋エディソン
E' NATALE "PERCORSO MUSICALE FRA LIBRI E PENSIERI".
Cori Ensemble (coro itinerante), Direttore: Fiorella Buono.
Musiche natalizie e spirituals

12月10日 21時から
場所:サンロレンツォ教会
DUO Violino: Chiara Tommasoni, Organo: Francesco Giannoni.
Musiche di G. Veracini, A. Vivaldi, G. Tartini

12月12日 21時から
場所:サンティアポストリ教会(フェラガモの近く)
ENSAMBLE VOCALE OPERA POLIFONICA DI FIRENZE. Direttore: Raffaele Puccianti,
Musiche di: F. Guerrero, J. Despres, F. Soriano, G.P. Da Palestrina, A. Stabile, W. Byrd

12月15日 21時から
場所:オルサンミケーレ教会(カルツァイオーリ通り)
SOLISTI DELL'ENSEMBLE NUOVO CONTRAPPUNTO. Violino: Pino Tedeschi, Clarinetto:
Marcello Bonacchelli, Pianoforte: Simone Soldati. Musiche di: F. Poulec, A. Schnittke, C. Debussy

12月16日 21時から
場所:サンフィレンツェ教会(ヴェッキオ橋を渡り切ったところ)
RECITAL DEL PIANISTA STEFANO MAURIZI.
Musiche di: S. Maurizi, E. Pieranunzi, C. Haden

12月17日 18時から
場所:本屋フェルトリネッリ(カヴール通り)
CHITARRA: ELENA RUTIGLIANO.
Musiche di: Villa Lobos, De Lucia, Piazzolla

12月18日 21時から
場所:オルサンミケーレ教会(カルツァイオーリ通り)
"LA VERGINE E LA NATIVITÀ" QUINTETTO POLIFONICO ITALIANO CLEMENTE TERNI
Direttore Guglielmo Visibelli, Lorena Giacomini soprano; Lucia Calabrò contralto; Gualtiero Spini tenore; Oronzo Parlangèli baritono, Guglielmo Visibelli basso. Dalla musica monodica italiana alla polifonia spagnola del XVI secolo

12月20日 21時から
場所:サンタクローチェ教会
ORCHESTRA GIOVANILE DI FIRENZE Direttore. Janet Zadow. CORI DI VOCI BIANCHE DI FIRENZE E SCANDICCI Direttore: Lucia De Caro.
Musiche tradizionali e spirituals, A.Corelli

12月20日 21時から
場所:サンサルバトーレアルモンテ修道院(ミケランジェロ広場のちょっと上)
CORO e ORCHESTRA DELLA SCUOLA DI MUSICA DI FIESOLE Maestro del coro: Fabio Lombardo. Soprano: Patrizia Cigna. Mezzosoprano: Sara Bacchelli. Tenore: Baltazar Zuniga. Basso:Walter Testolin. Direttore: Umberto Benedetti Michelangeli.
Musiche di W.A. Mozart

12月20日 21時から
場所:サンフィレンツェ教会(ヴェッキオ橋を渡り切ったところ)
RECITAL DELL'ORGANISTA OLIMPO MEDORI. Dall'Avvento al Nuovo Anno.
Musiche di W.Byrd, F. Correa De Arauxo, P. Storace, D. Buxtehude

12月21日 21時から
場所:フィレンツェ市立劇場
ORCHESTRA DA CAMERA FIORENTINA. CORO DEL CARICENTRO CASSA DI RISPARMIO DI FIRENZE. Direttore Giuseppe Lanzetta. G.Puccini Messa di Gloria in occasione del suo 150° Compleanno.
*座席に限りがあります。要予約:055/ 2612012

12月23日 21時から
場所:フィレンツェカッサリスパルミオ銀行のアウディトリウム(ドゥオーモの近く)
JAZZ & GOSPEL COMMUNITY Direttore Corrado Fugali.
Musiche della Tradizione Gospel
*こちらはクラシックではなく、ゴスペルです。

12月24日 21時30分から
場所:サンティッシマアヌンツィアータ教会
Organo rinascimentale di Domenico Di Lorenzo (1509-21) RECITAL DELL'ORGANISTA PIER PAOLO DONATI
Musiche di: Cavazzoni, Gabrieli, Valente, Guami, Frescobaldi
*ルネッサンス時代のオルガン演奏

12月29日 21時から
場所:サンレミージョ教会(ウフィッツィ美術館の裏あたり)
RECITAL DELL'ORGANISTA GUIDO DONATI.
Musiche di: A. Gabrieli, W. Byrd, J. P. Sweelinck, G. Frescobaldi, D. Scarlatti, J. B. Cabanilles

1月5日 21時から
場所:サンフィレンツェ教会(ヴェッキオ橋を渡り切ったところ)
DUO. Chiara Molinari (Bologna). Soprano. Wladimir Matesic (Bologna) .Organo. Tre "Omaggi" romantici e moderni all'Era Barocca per Organo. Karg-Elert, J. S. Bach, W. Matesic, T. Merula, C. Monteverdi, F. Benoist, F. J. Haydn, C. Saint-Saëns.
[ 2008/12/06 02:42 ] @展示会やコンサート | TB(0) | CM(3)

フィレンツェにH&M 登場!

日本でもH&M上陸は旋風を起こしたようですが、ここフィレンツェにもH&Mが登場しました。H&Mは、スウエーデンがオリジナルのブランドでHennes & Mauritzの頭文字を取ったもの。

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開店したのは11月28日。約1週間が経ちましたが、店内はお昼時にも関わらず人、人、人、すっご~い人でした。

この規模のお店では珍しく地上階、地上1階、地下2階の4階構成になっていています。日本だとほとんどの人がエレベータやエスカレータを使うと思いますが、そのような便利なものが、ほとんどのお店であまりまだ普及していない、ここフィレンツェでは階段を登ったり下ったりする人で大混雑(笑)。

品揃えは、クリスマスシーズンということもあり、パーティ用のカラフルでキラキラしたお洋服やアクセサリーがメイン。値段も安価で、デザインもなかなかグッド。

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場所は、フィレンツェ中心街の、メルカート・ヌオーボ(新市場のロッジャ)の隣にあります。撫でられて金ぴかになった鼻を持ち、口からコインを落として受け箱に入ったら再びフィレンツェに来られると言われているブロンズのイノシシ像のある市場です。

ちょうどレップブリカ広場とヴェッキオ橋の間です。
住所は、Palazzo della Borsa Merci(via Por Santa Maria)です。

フィレンツェに来られる方はぜひ覗いてみて下さい。
日本とは違う品揃えかもしれませんよ♪

イタリアの食事情

最近はスーパーで買う食品が値上がりしているため、ただでさえ不景気のなか、イタリア人の家計は厳しくなっています。生産者と消費者の中間にいるイタリア国内の配送会社や小売店が生産者からは安値で購入し、消費者には高値で販売するのが一因とも言われています。

さらに、たくさん生産するためには、害虫防止のため、そして生育を促すために化学薬品などを使ってる会社も数多くあります。そしてその薬害は人間の体内だけでなく、自然に実をつけるためにとても大切な蜂の消滅にまで拍車をかけているのです。蜂がいなくなれば、いままで自然に任せていた受粉を人間が手作業で行うことになり、膨大な時間と費用がかかります。

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そんな状況下でイタリアの消費者も徐々に、自分達の生活と健康を守るために立ち上がりつつあります。

これは、日曜日の21時30分からRai3で放映されるReportという番組でクローズアップされた話題です。この番組は、アリタリア問題や政治問題などを、イタリアでは珍しく、かなり掘り下げて放映している興味深い番組です。

たとえばローマの教育部門では、740校の学校給食をすべて無農薬無添加の食品に変えたところ、子供達からは膨張感や膨満感など食べものから来る悪い症状が激減したそうです。さらにプラスチック製から、食器を磁器に、フォークやナイフを金属製に、コップをガラス製に変えたために、1日のゴミの量も少なくて済みます。すると今迄よりも経費を押さえることができ、環境にも優しく、子供達は元気を取り戻しています。この試みはアメリカ、イギリス、スカンジナビアなどから環境モデルとして研究されているそうです。

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北イタリアのアスティの病院でも1年前から同様の試みが行われ、病院食で使われる油はすべてエクストラヴァージンオリーブオイルにし、豆と野菜の和え物、リコッタと野菜のテリーヌ、地場で放牧された新鮮な生肉のサラダ、ミックス野菜のオーブン焼き、季節の果物などのメニューに改善しました。毎朝6時に新鮮な食材を届けるのは、すべて近場の農家の人達。それも大きな農家ではなく、ほとんどが家族経営の小さな農家で、入院している人達に美味しい物を食べて欲しいという想いもプラスされた、愛情いっぱいの食材です。もちろん無農薬無添加。

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この病院も1年前までは冷凍食品を主に使っていたそうですが、流通経路をすべて一新し、患者だけでなく、院内で仕事をしている人達も、同じ食材を使った料理を食堂で食べることができます。

食事を変えることにより、患者の症状が良くなりやすく、退院日が1日早まるという結果が出ているそうです。問題のコストは、近場の農家から直接に購入しているので、普通に流通機関を通して購入するより安く済むということ。それでいて、安全で美味しい食事ができるのです。ひいては、病院も、家族経営の小さな農家の人も、安定した収入を得ることができます。

この試みは、学校や病院だけでなく、一般の生活にも広がりつつあります。無農薬無添加の農家の人達と組んだ組合が、街へ行き直接野菜を販売し、いつも盛況です。大切なのは品質、値段、組織。と言っていました。


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日本では既にこのような動きがあると思いますが、イタリアもやっと消費者が気がついて動き出したことは、個人的にとても嬉しいことです。

興味のある方は下記で放送を見ることができます。イタリア語を勉強している方は語学勉強にもお役に立ててください。
http://www.rai.tv/mpplaymedia/0,,RaiTre-Report^17^157117,00.html

[ 2008/12/03 00:08 ] @ 美味なるもの | TB(0) | CM(5)