11年後の1600年。
ウフィッツィ美術館に当時あったメディチ家劇場で、
メディチ家本宅であったピッティ宮殿で、
Euridice(エウリュディケ)
という舞台が開かれました。

楽曲担当:ヤコポ・ペーリ
台本担当:オッタヴィアーノ・リヌッチーニ
両者ともに、バルディ同好会とも呼べる、
カメラータ・デ・バルディの責任者。
指導者:ヴィンチェンツォ・ガリレイ
ん? ガリレイ ?
どこかで聞いたことのある名前。
そう、
彼はガリレオ・ガリレイのお父さんなんです。

こちらは
天文学の父と呼ばれる
息子のガリレオ・ガリレイ
いっぱいカタカタの名前が続きましたが、
バルディ同好会は、
バルディ・ディ・ヴェルニーノ邸宅がメインオフィスだったので、
そう呼ばれています。
いまもこの邸宅は現存していて、
サンタクローチェ地区ベンチ通りの
ホルン美術館の目の前にあります。

現在、この邸宅は個人所有。
残念ながら見学不可能です。
バルディ同好会ってなに?
「歌いながら劇をする」ことで、
音楽に革新を与えようと活動していた団体。
じゃじゃ~ん!
ここでついに現代に通じるオペラが誕生するのです。
記念すべきEuridice(エウリュディケ)のあとに上演されたのは、
Arianna
(アリアドネー。ギリシャ神話の人物でディオニソスの妻。)
そして
Orfeo(オルフェウス)。
→ アリアドネーの話しはこちらを参照 → オルフェウスの話しはこちらを参照 実は、最初に上演されたエウリュディケは、
オルフェウスの奥さん。
なので、オルフェウスはエウリュディケの
続編と捉えることもできるでしょう。

歌いながら劇を演じることをメロドラマといい、
すなわち、オペラのこと。
恋い焦がれて、裏切られて、失恋して、死に別れて。。
成就できない、哀しい愛
涙 涙 涙
で幕降りる、悲劇な恋愛劇
特に、ジャコモ・プッチーニの
ラ・ボエーム、トスカ、蝶々夫人などは、
代表的悲劇オペラ。
ストーリーを読んでいるだけで、
イタタタタ
心が切なくなってくる。。
オルフェウスの台本を書いたのは、
クラウディア・モンテヴェルディなる人物。

作曲家でヴィイオリン奏者で歌い手
という、マルチな音楽家。
その後、1700年、1800年には、
オーストリアのモーツァルトに続き、
ペーザロ出身のジョアキーノ・ロッシーニ、
パルマ出身のジュゼッペ・ヴェルディ、
トスカーナ出身のジャコモ・プッチーニ、
これらの作曲家が筆頭となり
オペラの全盛を迎えるようになるのです。
さて、予習もしたし、
いざ!
オペラにいってきま~す。
あ、
相方とわたしは、カジュアル嗜好
劇場に、着ていく服が(泣)
いままで、
劇場や教会でのクラシックコンサート

イタリアンロックのコンサート

VASCOooo !!!!
いろいろなコンサートに行ってきましたが、
敷居が高くて、いままで手を付けていなかったのが、
オペラ !
情報収集や切符購入は、わたしが担当。
ある日、相方が、
どうしてオペラは候補にないの ?
と聞いてきた。
え~だって~ わかんないんだもん
難しそうなんだもん
寝ちゃいそうなんだもん
相方はオペラが好き
で、そんなわたしの意見を聞いてか聞かずか、
オペラ・ブッファだらか、これなら楽しめるでしょ
と、勝手に選んできたのが、
La Nozze di Figaro フィガロの結婚

オペラ・ブッファ は、喜劇オペラ。
う~ん
ついに、わたしも、オペラ・デビューか!?
3時間はある演目。
内容が分からないと、退屈、極まりない。
そこで、相方からCDを借り、
家仕事のときにのBGMとして耳慣れしておき、
小冊子やネットでストーリーを予習中。
ああ、登場人物が多すぎ!
面白そうな内容である。
曲目も、CMで耳にしたものもあり。
モーツァルトだから、
曲が軽快で、流れるようなリズムが心地よい。

モーツァルトはオーストリア人。
でも、オペラって、どこでどう生まれたの?
フィレンツェが発祥というのは、知っていたけど、
予習も兼ねて、オペラについて調べてみました。
なので、今回はオペラ誕生ストーリー。
ちょっと長いので前後半に分けました。
興味のある方は2日連続でお読み下さい。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
時は1500年代。
フィレンツェではメディチ家が、
トスカーナ大公そしてフィレンツェの君主として
栄華を誇っていた時代。
ローマで枢機卿をしていた、
メディチ家のフェルディナンド1世。
長男のフランチェスコ1世が急逝したために、
フィレンツェへ戻って来て、跡を継ぐようになります。

ずっと枢機卿をしていたので未婚。
メディチ家の跡継ぎとして
さあ、僕も結婚しなきゃ。叔母でフランスに嫁いだカテリーナ・デ・メディチ
の姪に当たるクリスティーナ・ディ・ロレーナ嬢と婚約。
クリスティーナは、
カテリーナが病で臥せっていたのを看病し、
最後まで看取ったあとに、
フェルディナンド1世のもとへ嫁いできました。
その年25歳。
フェルディナンド1世は40歳前半。
両者ともに、当時にすれば、かなりの晩婚。
政治的結婚にも関わらず、
仲が良く幸せな結婚生活を送ったということです。
* * * * * * * * * *
前置きが長くなりましたが、
婚礼のためにフィレンツェでは盛大な祝賀会が
一ヶ月間に渡り催されることに。
宮廷のお仕えアーティストであり、
ジェラートの発明者でもある
ベルナルド・ブオンタレンティが主監督になり、
音楽をバックにドラマを演じるコンサートが開かれます。
そう、
これがオペラの前衛です。
1589年のこと。
テキスト担当
ー ジローラモ・バルガリ
ー オッタヴィアーノ・リヌッチーニ
作品担当
ー ジョヴァンニ・バルディ・ディ・ベルニオ
音楽担当
ー ザッゼリーノと呼ばれていたヤコポ・ペーリ
舞台演出と衣装担当
ー ブオンタレンティ
これは、ブオンタレンティが水彩画で描いたデッサン。

ここから序所にオペラが形づくられていくのです。
次回につづく
ここのところ、とびとびな更新ですいません ! (>_<)
10月も更新頻度が、とびとびになるかもしれません (>_<) !
見ているよ! 立寄っているよ!
という嬉しいお言葉を頂きますが、
3日に1度くらいの頻度でお立ち寄り頂ければ、
ブログが更新されているはず!です。
ごめんなさ~い。
今回は、フィレンツェに来た当時に知り合った
もとフィレンツェ在住、いまは日本で活躍中の
切り絵師の宣伝で~す。
フィレンツェにいた頃から、地道に活動してきた俊寛さん。
ただいま開花中の新進気鋭 切り絵師!
場所は、大阪です。
大阪在住の方は、ぜひ、ぜひ、足をお運びくださいませ。
そして、技の細かさを実際に自分の目でお確かめあれ。
詳細はこちら ↓
期日: 11月10日(水)~16日(火) イタリアフェア
場所:大阪梅田 阪急百貨店
西日本では最大のイタリアフェアということです。
イタリア好き! 梅田へ集合です。
切り絵職人「俊寛」さんは、
期間中はずっと会場に常駐していますよ。
今回は、30分程度のトークショウも予定に入っているそう。
がんばってね~♪
どんな作品を作っているの?
ちらみで、ちょっとだけ。

キャンティクラシコ地区の玄関口、
グレーヴェインキャンテイの広場。

古い建物と新しいバイクの対比が面白いので、
10年前作成したものを、もう一度作品に。
風景画も良いけど、
日常を切り取った絵もいいですね~ イタリアっぽい。
職人シリーズ8点(内1点新作)、
風景の小品30点(新作は10点ぐらい)が
出展されるようです。
最近は日本の職人さんシリーズも作成中。
今後も期待していますよ!
そして、イタリアと日本の職人さんにエールを!
フィレンツェの秋は、
いろいろな展示会やイベントが開催されて賑やか
力を入れている展示会が開催されるのもこの時期。
1つは、ブロンズィーノ展。
知名度が低い画家ですが、フィレンツェの大切な画家の1人。
時は1500年。
メディチ家の当主コジモ1世の宮廷画家でもありました。
今週の月曜日には、ガイドのみが受講できる、
ブロンズィーノ展の勉強会へ出席して来ました。
ウフィッツィ美術館の館長 アントニオ・ナタリーノの講義。
どんな方なのか、前から興味があったナリーノ館長。
ほぼ満席のなか、ユーモアを交えた流暢なレッスンは
たっぷり2時間。 無料で勉強できるなんて、
こんなとき、しみじみ、ガイドで良かったと思うのです。
エレガントな筆のタッチで
次から次へとメディチ家のメンバーを描いていった
画家ブロンズィーノ。
肉屋の息子として生まれ、10代の頃に彼の運命を変える
マニエリズムを代表する画家の1人、ポントルモに弟子入り。
ポントルモの愛弟子として活躍し、
やがてコジモ1世の宮廷画家になるのです。
展示会では、ポントルモの作品から始まり、
ブロンズィーノとメディチ、聖人、偉人、肖像画などに
分けられていて、最後は、ブロンズィーノの愛弟子であり、
息子として引き取り育てたアレッサンドロ・アッローリの作品。
ウフィッツィ美術館からは約27点が出張出展されています。

甘美で色彩の美しいブロンズィーノの作品。
メディチ家やマニエリスムに興味のある方は、特に必見です。
1月23日まで開催しています。
初日の9月24日は長蛇の列ができていました。
9月や10月の週末の午後に足を運ばれる方は
予約しておいた方がいいかも。
場所はストロッツィ宮殿。
共和国広場とトルナボーニ通りを結ぶ道沿いにあります。
料金は1枚 € 10,00
予約する場合には、 € 1,10 が予約料として別途かかります。
オンライン予約はこちらから
http://www.vivaticket.it/evento.php?id_evento=423592
先にウフィッツィ美術館を見学した場合、
切符を見せると半額になります。
開館時間は毎日、9.00-20.00。
木曜日は 9.00-23.00。
公式サイトはここからイン!
フィエーゾレは、フィレンツェの北側にある丘。
フィレンツェから市バスで行けてアクセスも便利。
あづい~ (汗)
なんてフィレンツェで、もがいているのに、
丘の上にあるフィエーゾレは、風が吹いて気持ちいい。
トスカーナ人の祖先と言われているエトルリア人は丘好き。
紀元前、まだローマが興る前から、この地に住んでいました。
時は流れ、エトルリア人にとってかわったのが、ローマ人。
このフィエーゾレの丘は、イタリアの2大文明を育んだ丘なのです。
いまでも、古代ローマ時代の遺跡を見ることができ、
いまでも、古代ローマ時代の遺跡を利用している、現代人。

これは、テアトロ・ロマーナ (ローマ劇場)
夏は
Estate Fiesolana (フィエーゾレの夏) フェスティバルが、
この劇場で開催されます。

21時30分から開始。
サマータイムで陽の落ちるのが遅いイタリアでも、
この時間になると、だんだん暗くなってきます。
ステージの遠くには、
田舎家の点灯や、オレンジのライトがキラキラして、
空気が澄んだ夜空には、満天の星。
ローマ人も、ここで夏の夜を楽しんだことでしょう。
わたしが行ったコンサートは、
天体物理学者で、ポピュラーサイエンスの作家、
Margherita Hack(マルゲリータ・アック)のトークショー。

彼女はフィレンツェ出身で、なんと88歳!
年齢が、彼女を置いてけぼりにしたみたい。
杖をついての登場でしたが、
音楽のリズムにのって身体を踊らせたり、
機智に富んだ話し方で、ぐいぐいと観客を惹き付けたり。
移民問題、政治問題、社会問題という重たいテーマでしたが、
穏やかな口調で、痛烈な風刺を効かせた
ブラックユーモアたっぷりのトーク。
今年に入り、すでに3冊の本を執筆しています。
エネルギッシュで、品のある、
88歳の女性に、真剣に憧れた、ある夜の出来事です。