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オペラ歌劇、ただ今予習中(後半)

11年後の1600年。

ウフィッツィ美術館に当時あったメディチ家劇場で、
メディチ家本宅であったピッティ宮殿で、

Euridice(エウリュディケ)

という舞台が開かれました。


teatromedici.jpg


楽曲担当:ヤコポ・ペーリ
台本担当:オッタヴィアーノ・リヌッチーニ

両者ともに、バルディ同好会とも呼べる、
カメラータ・デ・バルディの責任者。

指導者:ヴィンチェンツォ・ガリレイ

ん? ガリレイ ?

どこかで聞いたことのある名前。


そう、

彼はガリレオ・ガリレイのお父さんなんです。


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こちらは
天文学の父と呼ばれる
息子のガリレオ・ガリレイ


いっぱいカタカタの名前が続きましたが、

バルディ同好会は、
バルディ・ディ・ヴェルニーノ邸宅がメインオフィスだったので、
そう呼ばれています。

いまもこの邸宅は現存していて、
サンタクローチェ地区ベンチ通りの
ホルン美術館の目の前にあります。


DSC03782.jpg


現在、この邸宅は個人所有。
残念ながら見学不可能です。



バルディ同好会ってなに?

「歌いながら劇をする」

ことで、

音楽に革新を与えようと活動していた団体。

じゃじゃ~ん!

ここでついに現代に通じるオペラが誕生するのです。



記念すべきEuridice(エウリュディケ)のあとに上演されたのは、
Arianna
(アリアドネー。ギリシャ神話の人物でディオニソスの妻。)
そして
Orfeo(オルフェウス)。

→ アリアドネーの話しはこちらを参照
→ オルフェウスの話しはこちらを参照

実は、最初に上演されたエウリュディケは、
オルフェウスの奥さん。

なので、オルフェウスはエウリュディケの
続編と捉えることもできるでしょう。


orfeo.jpg


歌いながら劇を演じることをメロドラマといい、
すなわち、オペラのこと。


恋い焦がれて、裏切られて、失恋して、死に別れて。。

成就できない、哀しい愛

涙 涙 涙

で幕降りる、悲劇な恋愛劇


特に、ジャコモ・プッチーニの
ラ・ボエーム、トスカ、蝶々夫人などは、
代表的悲劇オペラ。

ストーリーを読んでいるだけで、
イタタタタ
心が切なくなってくる。。


オルフェウスの台本を書いたのは、
クラウディア・モンテヴェルディなる人物。


Claudio_Monteverdi_3.jpg


作曲家でヴィイオリン奏者で歌い手
という、マルチな音楽家。


その後、1700年、1800年には、

オーストリアのモーツァルトに続き、
ペーザロ出身のジョアキーノ・ロッシーニ、
パルマ出身のジュゼッペ・ヴェルディ、
トスカーナ出身のジャコモ・プッチーニ、

これらの作曲家が筆頭となり
オペラの全盛を迎えるようになるのです。


さて、予習もしたし、
いざ! 
オペラにいってきま~す。

あ、

相方とわたしは、カジュアル嗜好

劇場に、着ていく服が(泣)


teatro.jpg



[ 2010/11/06 00:46 ] @展示会やコンサート | TB(0) | CM(2)

オペラ歌劇、ただ今予習中(前半)

いままで、

劇場や教会でのクラシックコンサート


IMG_0153.jpg



イタリアンロックのコンサート


IMG_1067.jpg

VASCOooo !!!!


いろいろなコンサートに行ってきましたが、

敷居が高くて、いままで手を付けていなかったのが、

オペラ !


情報収集や切符購入は、わたしが担当。

ある日、相方が、

どうしてオペラは候補にないの ?

と聞いてきた。


え~だって~ わかんないんだもん
難しそうなんだもん
寝ちゃいそうなんだもん



相方はオペラが好き

で、そんなわたしの意見を聞いてか聞かずか、

オペラ・ブッファだらか、これなら楽しめるでしょ
と、勝手に選んできたのが、

La Nozze di Figaro フィガロの結婚


le_nozze_di_figaro1.jpg


オペラ・ブッファ は、喜劇オペラ。

う~ん
ついに、わたしも、オペラ・デビューか!?

3時間はある演目。
内容が分からないと、退屈、極まりない。

そこで、相方からCDを借り、
家仕事のときにのBGMとして耳慣れしておき、
小冊子やネットでストーリーを予習中。
ああ、登場人物が多すぎ!

面白そうな内容である。
曲目も、CMで耳にしたものもあり。

モーツァルトだから、
曲が軽快で、流れるようなリズムが心地よい。


mozart-1.jpg


モーツァルトはオーストリア人。
でも、オペラって、どこでどう生まれたの?

フィレンツェが発祥というのは、知っていたけど、
予習も兼ねて、オペラについて調べてみました。

なので、今回はオペラ誕生ストーリー。

ちょっと長いので前後半に分けました。
興味のある方は2日連続でお読み下さい。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

時は1500年代。 

フィレンツェではメディチ家が、
トスカーナ大公そしてフィレンツェの君主として
栄華を誇っていた時代。

ローマで枢機卿をしていた、
メディチ家のフェルディナンド1世。

長男のフランチェスコ1世が急逝したために、
フィレンツェへ戻って来て、跡を継ぐようになります。


Ferdinando_I_de_Medici_2.jpg


ずっと枢機卿をしていたので未婚。

メディチ家の跡継ぎとして

さあ、僕も結婚しなきゃ。

叔母でフランスに嫁いだカテリーナ・デ・メディチ
の姪に当たるクリスティーナ・ディ・ロレーナ嬢と婚約。

クリスティーナは、
カテリーナが病で臥せっていたのを看病し、
最後まで看取ったあとに、
フェルディナンド1世のもとへ嫁いできました。

その年25歳。 
フェルディナンド1世は40歳前半。

両者ともに、当時にすれば、かなりの晩婚。

政治的結婚にも関わらず、
仲が良く幸せな結婚生活を送ったということです。

* * * * * * * * * *

前置きが長くなりましたが、

婚礼のためにフィレンツェでは盛大な祝賀会が
一ヶ月間に渡り催されることに。

宮廷のお仕えアーティストであり、
ジェラートの発明者でもある
ベルナルド・ブオンタレンティが主監督になり、

音楽をバックにドラマを演じるコンサート

が開かれます。

そう、

これがオペラの前衛です。

1589年のこと。

テキスト担当
ー ジローラモ・バルガリ
ー オッタヴィアーノ・リヌッチーニ

作品担当
ー ジョヴァンニ・バルディ・ディ・ベルニオ

音楽担当
ー ザッゼリーノと呼ばれていたヤコポ・ペーリ

舞台演出と衣装担当
ー ブオンタレンティ

これは、ブオンタレンティが水彩画で描いたデッサン。


opera1.jpg


ここから序所にオペラが形づくられていくのです。


次回につづく



[ 2010/11/04 21:23 ] @展示会やコンサート | TB(0) | CM(0)

フィレンツェとトスカーナの風景を日本伝統技で

ここのところ、とびとびな更新ですいません ! (>_<)
10月も更新頻度が、とびとびになるかもしれません  (>_<) !

見ているよ! 立寄っているよ!

という嬉しいお言葉を頂きますが、
3日に1度くらいの頻度でお立ち寄り頂ければ、
ブログが更新されているはず!です。 
ごめんなさ~い。


今回は、フィレンツェに来た当時に知り合った
もとフィレンツェ在住、いまは日本で活躍中の
切り絵師の宣伝で~す。

フィレンツェにいた頃から、地道に活動してきた俊寛さん。
ただいま開花中の新進気鋭 切り絵師!

場所は、大阪です。

大阪在住の方は、ぜひ、ぜひ、足をお運びくださいませ。
そして、技の細かさを実際に自分の目でお確かめあれ。

詳細はこちら ↓

期日: 11月10日(水)~16日(火) イタリアフェア
場所:大阪梅田 阪急百貨店

西日本では最大のイタリアフェアということです。
イタリア好き! 梅田へ集合です。

切り絵職人「俊寛」さんは、
期間中はずっと会場に常駐していますよ。

今回は、30分程度のトークショウも予定に入っているそう。
がんばってね~♪

どんな作品を作っているの?

ちらみで、ちょっとだけ。


toscana007.jpg

キャンティクラシコ地区の玄関口、
グレーヴェインキャンテイの広場。



toscana004.jpg

古い建物と新しいバイクの対比が面白いので、
10年前作成したものを、もう一度作品に。

風景画も良いけど、
日常を切り取った絵もいいですね~ イタリアっぽい。


職人シリーズ8点(内1点新作)、
風景の小品30点(新作は10点ぐらい)が
出展されるようです。

最近は日本の職人さんシリーズも作成中。

今後も期待していますよ!
そして、イタリアと日本の職人さんにエールを!



[ 2010/10/04 22:16 ] @展示会やコンサート | TB(0) | CM(8)

秋の文化週間

フィレンツェの秋は、
いろいろな展示会やイベントが開催されて賑やか

力を入れている展示会が開催されるのもこの時期。

1つは、ブロンズィーノ展。
知名度が低い画家ですが、フィレンツェの大切な画家の1人。
時は1500年。
メディチ家の当主コジモ1世の宮廷画家でもありました。

今週の月曜日には、ガイドのみが受講できる、
ブロンズィーノ展の勉強会へ出席して来ました。
ウフィッツィ美術館の館長 アントニオ・ナタリーノの講義。

どんな方なのか、前から興味があったナリーノ館長。
ほぼ満席のなか、ユーモアを交えた流暢なレッスンは
たっぷり2時間。 無料で勉強できるなんて、
こんなとき、しみじみ、ガイドで良かったと思うのです。

エレガントな筆のタッチで
次から次へとメディチ家のメンバーを描いていった
画家ブロンズィーノ。

肉屋の息子として生まれ、10代の頃に彼の運命を変える
マニエリズムを代表する画家の1人、ポントルモに弟子入り。

ポントルモの愛弟子として活躍し、
やがてコジモ1世の宮廷画家になるのです。

展示会では、ポントルモの作品から始まり、
ブロンズィーノとメディチ、聖人、偉人、肖像画などに
分けられていて、最後は、ブロンズィーノの愛弟子であり、
息子として引き取り育てたアレッサンドロ・アッローリの作品。

ウフィッツィ美術館からは約27点が出張出展されています。


スクリーンショット(2010-09-24 17.59.57)


甘美で色彩の美しいブロンズィーノの作品。
メディチ家やマニエリスムに興味のある方は、特に必見です。

1月23日まで開催しています。
初日の9月24日は長蛇の列ができていました。

9月や10月の週末の午後に足を運ばれる方は
予約しておいた方がいいかも。

場所はストロッツィ宮殿。 
共和国広場とトルナボーニ通りを結ぶ道沿いにあります。

料金は1枚  € 10,00

予約する場合には、 € 1,10 が予約料として別途かかります。

オンライン予約はこちらから
http://www.vivaticket.it/evento.php?id_evento=423592

先にウフィッツィ美術館を見学した場合、
切符を見せると半額になります。

開館時間は毎日、9.00-20.00。
木曜日は 9.00-23.00。

公式サイトはここからイン!



[ 2010/09/25 01:05 ] @展示会やコンサート | TB(0) | CM(2)

フィエーゾレの夜空の下で

フィエーゾレは、フィレンツェの北側にある丘。
フィレンツェから市バスで行けてアクセスも便利。

あづい~ (汗)
なんてフィレンツェで、もがいているのに、
丘の上にあるフィエーゾレは、風が吹いて気持ちいい。

トスカーナ人の祖先と言われているエトルリア人は丘好き。
紀元前、まだローマが興る前から、この地に住んでいました。

時は流れ、エトルリア人にとってかわったのが、ローマ人。

このフィエーゾレの丘は、イタリアの2大文明を育んだ丘なのです。

いまでも、古代ローマ時代の遺跡を見ることができ、
いまでも、古代ローマ時代の遺跡を利用している、現代人。

17.jpg

これは、テアトロ・ロマーナ (ローマ劇場)

夏は Estate Fiesolana (フィエーゾレの夏) フェスティバルが、
この劇場で開催されます。


IMG_0726.jpg


21時30分から開始。
サマータイムで陽の落ちるのが遅いイタリアでも、
この時間になると、だんだん暗くなってきます。

ステージの遠くには、
田舎家の点灯や、オレンジのライトがキラキラして、
空気が澄んだ夜空には、満天の星。

ローマ人も、ここで夏の夜を楽しんだことでしょう。


わたしが行ったコンサートは、
天体物理学者で、ポピュラーサイエンスの作家、
Margherita Hack(マルゲリータ・アック)のトークショー。


margherita_hack6.jpg


彼女はフィレンツェ出身で、なんと88歳!

年齢が、彼女を置いてけぼりにしたみたい。

杖をついての登場でしたが、
音楽のリズムにのって身体を踊らせたり、
機智に富んだ話し方で、ぐいぐいと観客を惹き付けたり。

移民問題、政治問題、社会問題という重たいテーマでしたが、
穏やかな口調で、痛烈な風刺を効かせた
ブラックユーモアたっぷりのトーク。

今年に入り、すでに3冊の本を執筆しています。

エネルギッシュで、品のある、
88歳の女性に、真剣に憧れた、ある夜の出来事です。


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[ 2010/07/23 00:45 ] @展示会やコンサート | TB(0) | CM(0)